新年の訪れとともに、一年の幸せを願って訪れる初詣。
富士山や南アルプスといった雄大な自然に囲まれた山梨県には、歴史と格式を誇る神社仏閣が数多く点在しています。
この記事では、2026年の初詣におすすめしたい山梨県内の神社・お寺を7カ所厳選してご紹介します。
勝運や金運、縁結び、学業成就など、さまざまなご利益を授かれるスポットを、定番から穴場まで幅広く取り上げていますので、あなたの願いに合った初詣先を見つけてください。
山梨県の初詣の特徴
山梨県の初詣スポットは、富士山信仰や武田信玄公ゆかりの歴史的な寺社が多いことが特徴です。標高1,000メートルを超える山頂から初日の出を拝めるスポットや、世界遺産の構成資産となっている神社など、他県では味わえない特別な体験ができます。
また、冬の山梨は寒さが厳しく、特に朝晩は冷え込みます。初詣に訪れる際は、防寒対策をしっかりと行い、厚手のコートやマフラー、手袋などを着用しましょう。山間部の神社では雪が積もっている場合もあるため、滑りにくい靴を選ぶことをおすすめします。
1. 北口本宮冨士浅間神社(富士吉田市)

富士山信仰の聖地で新年を迎える
北口本宮冨士浅間神社は、富士山の北側、富士吉田市に鎮座する格式高い神社です。西暦110年、日本武尊の東征の際に創建されたと伝わり、1900年以上の歴史を持つ由緒ある社です。
富士山信仰の中心地として、古くから多くの参拝者や登山者に崇敬されてきました。富士登山の北口登山道の起点に位置し、世界遺産「富士山」の構成資産の一つとして登録されています。平成29年には拝殿などが新たに重要文化財に指定され、計11棟が重要文化財に指定されています。
見どころとご利益
境内には、樹齢約1000年を数える御神木「冨士太郎杉」と「夫婦ヒノキ」がそびえ立ち、自然と歴史の雄大さを感じさせます。参道には杉やヒノキの大木が立ち並び、石灯籠が佇む荘厳な雰囲気に包まれています。
木造の鳥居としては日本最大級の「冨士山大鳥居」は、高さ約18メートル、幅約11メートルもあり、その威容に圧倒されます。手水舎からは富士山の冷たい雪解け水が流れ出ており、参拝前に心身を清めることができます。
主なご利益は、厄除け、学業成就、縁結び、安産子育て、無病息災、交通安全、商売繁盛、家内安全、必勝祈願、招運など、あらゆる願いに応えてくれる万能のパワースポットとして知られています。
初詣期間中のイベント・サービス
初詣期間中は、神社氏子青年部による甘酒とおしるこの販売が行われ、参拝で冷えた体を温めることができます。また、10軒ほどの露店も出店され、正月らしい賑やかな雰囲気を楽しめます。
授与所では、2026年の記念となる御朱印や干支の縁起物、お守りなども充実しています。境内の3社「北口本宮冨士浅間神社」「諏訪神社」「大塚丘社」の各御朱印をいただくこともできます。
混雑状況
混雑を避けたい方は、年明けすぐの深夜2時頃の参拝がおすすめです。元日の日中や1月2日の10時から16時頃は特に混雑します。
授与所・御朱印所開所時間
- 12月31日:午前9時から翌1日まで連続開所
- 1月1日~3日:早朝から夕刻まで(参拝者が途切れるまで開所、混雑状況で変動)
アクセス情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田5558番地 |
| 電話 | 0555-22-0221 |
| 電車・バス | 富士急行線「富士山駅」から徒歩約20分、またはバスで約6分 |
| 車(東京方面) | 中央道河口湖ICから国道139号経由で約3km(右手) |
| 車(神奈川方面) | 東富士五湖道路 富士吉田ICから国道139号経由で約3km(右手) 東富士五湖道路 山中湖・忍野ICから国道138号経由で約6.5km(左手) |
| 駐車場 | 第1~第7駐車場あり(合計約160台)、無料 臨時駐車場:吉田小学校グラウンド |
2. 武田神社(甲府市)

武田信玄公を祀る勝運のパワースポット
武田神社は、戦国の名将・武田信玄公を御祭神として祀る神社で、地元甲府市民からは親しみを込めて「信玄さん」と呼ばれています。1919年に武田氏の居館跡である躑躅ヶ崎館(国指定史跡)に創建されました。
武田信虎、信玄、勝頼の武田家三代が60年余りに亘って居館とした歴史的な場所であり、甲斐国の守護神として地域の人々に深く信仰されています。
ご利益と見どころ
主なご利益は「勝運」で、勝負事に限らず「人生そのものに勝つ」「自分自身に克つ」という意味も込められています。そのため、必勝祈願、商売繁盛、縁結び、家内安全などにもご利益があるとされています。
境内には信玄公ゆかりの「姫の井戸」や三葉の松があり、歴史ロマンを感じながら参拝できます。宝物殿には国指定重要文化財の太刀「吉岡一文字」をはじめ、武田家ゆかりの品々が収蔵されており、歴史好きにはたまらないスポットです。
初詣の混雑状況
武田神社は山梨県内でも特に人気の初詣スポットで、毎年1月1日~3日に約10万人、1月中に約20万人が訪れます。年末から三が日にかけて交通規制が行われますので、公共交通機関の利用をおすすめします。
アクセス情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 〒400-0014 山梨県甲府市古府中町2611 |
| 電話 | 055-252-2609 |
| 電車・バス | JR中央本線「甲府駅」北口からバスで約8分、または徒歩約30分 初詣シャトルバスの運行あり(山梨交通:055-223-0821、055-235-2241) |
| 車 | 中央道甲府昭和ICから約20分 |
| 駐車場 | あり(12月31日23時~1月1日17時まで交通規制あり) 1月1日~3日に限り臨時駐車場あり |
3. 身延山久遠寺(身延町)

日蓮宗総本山の格式高い初詣
身延山久遠寺は、1274年に日蓮聖人によって開かれた日蓮宗の総本山で、鎌倉時代から700年以上の歴史を持つ由緒正しいお寺です。武田信玄が川中島の合戦の際に、信濃善光寺の焼失を恐れて本尊の阿弥陀如来をはじめ諸仏寺宝類を移したことに始まります。
高さ27メートルの壮大な金堂(重要文化財)と朱塗りの山門(重要文化財)は圧巻で、境内には樹齢400年のしだれ桜があり、全国しだれ桜10選のひとつに選ばれています。
初詣の特別行事
【新年祝祷会】
1月1日:午前4時から
1月2日・3日:午前6時から
本堂にて厳かに執り行われます。
【正月三が日太歳特別加持祈祷】
1月1日:午前8時(受付開始7時30分)~午後4時頃
1月2日・3日:午前8時30分(受付開始8時)~午後4時頃
受付場所:本堂地階ロビー
加持祈祷料:3,000円以上(御札を授与)
【新春車両交通安全特別祈祷】
1月1日~3日:午前8時~午後3時頃
受付場所:身延町総合文化会館脇特設駐車場内受付所
祈祷料:1台(乗用車のみ)5,000円(御守授与)
身延山山頂からの初日の出
身延山ロープウェイが元日の早朝から特別運行され、標高1,153メートルの山頂から、富士山とその南側から昇る初日の出を望むことができます。日本屈指のパワースポットとして知られており、新年の祈りにふさわしい特別な体験ができます。
ロープウェイ運行時間:
元日:午前4時30分から
2日・3日:午前6時30分から
山頂の奥之院駅では午前8時まで甘酒とカイロがサービスされます。
交通規制と駐車場
元日から5日まで、身延山周辺道路は大変混雑が予想されます。県道身延線は総門交差点より、午前9時から午後3時まで普通車両は通行止めとなります(11人乗り以上の中型・大型バスは通行可)。
駐車場は身延町総合文化会館特設駐車場となり、同文化会館からシャトルバス(片道200円・往復400円)が運行されます。文化会館から身延山行きは午後3時00分発が最終、身延山から駐車場行きは午後5時00分発が最終となりますので、乗り遅れのないようご注意ください。
アクセス情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 〒409-2524 山梨県南巨摩郡身延町身延3567 |
| 電話 | 0556-62-1011 |
| 交通規制 | 元日~5日まで、県道身延線は総門交差点より午前9時~午後3時まで普通車両通行止め (11人乗り以上の中型・大型バスは通行可) |
| 駐車場 | 身延町総合文化会館特設駐車場 |
| シャトルバス | 身延町総合文化会館から運行(片道200円・往復400円) 文化会館→身延山:最終午後3時00分発 身延山→文化会館:最終午後5時00分発 |
4. 新屋山神社(富士吉田市)

日本三大金運神社の一つ
新屋山神社は、戦国時代の天文3年(1534年)に創建されたと伝わる神社で、金運上昇のパワースポットとして全国的に有名です。地元の経営者が「日本一の金運神社」と語ったことから口コミで広まり、金運を求める参拝者が後を絶ちません。
主祭神は山の神である大山祇命に加え、木花開耶姫命や天照皇大神を祀り、金運上昇や商売繁盛、農林業の繁栄など幅広いご利益が伝わります。
見どころとご利益
境内には不思議な「お伺い石」があり、祈りながら石を持ち上げると重さが変わることで吉凶を占えるとされ、多くの参拝者に人気のスポットです。
本宮から車で約20分の富士山2合目にある奥宮は、静謐な森の中で自然の力を感じられる場所として知られています。ただし、冬の奥宮は積雪などに注意が必要なため、初詣は本宮を中心に参拝すると安心です。
例祭は毎年10月17日に行われ、地元の神輿や獅子舞など伝統行事が境内を彩ります。
アクセス情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 山梨県富士吉田市新屋1230 |
| アクセス | 本宮へは車でのアクセスが便利です |
| 奥宮 | 本宮から車で約20分(富士山2合目) ※冬季は積雪に注意、初詣は本宮での参拝を推奨 |
5. 甲斐善光寺(甲府市)

武田信玄公ゆかりの名刹
甲斐善光寺は、武田信玄が永禄元年(1558年)に川中島の合戦の折、信濃善光寺の焼失を恐れて御本尊善光寺如来をはじめ諸仏寺宝類を移したことに始まる歴史あるお寺です。江戸時代には徳川家の位牌所にもなっていました。
金堂は木造建築物としては東日本最大級の規模を誇り、高さ27メートル、奥行49メートルの撞木造という珍しい建築様式で、国の重要文化財に指定されています。朱塗りの山門も重要文化財です。
体験できる特別な儀式
【お戒壇巡り】
金堂の地下を暗闇の中で手探りで進み、ご本尊の真下にある「極楽のお錠前」に触れて善光寺如来様とご縁を結ぶありがたい儀式です。心身を清め、仏様のご利益を授かることができます。
【鳴き龍】
金堂の天井には大きな龍が二頭描かれており、鳴き龍の下で手を叩くと多重反響現象により、金堂の中を音が響き渡ります。日本一の規模を持つ鳴き龍として知られており、不思議な体験ができます。
拝観料:500円(お戒壇巡り・鳴き龍の体験可)
ご利益
安産祈願、厄除祈願、商売繁昌、家内安全、交通安全、災厄消除、良縁成就、学業成就、身体健全、諸願成就、心願満足、合格祈願など、あらゆる願いに応えてくれます。
宝物館では日本最古の「源頼朝像」とその子どもの「源実朝像」が公開されており、歴史好きの方は必見です。
アクセス情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 〒400-0806 山梨県甲府市善光寺3-36-1 |
| 電話 | 055-233-7570 |
| 電車 | JR中央線「酒折駅」から徒歩約15分 JR身延線「善光寺駅」から徒歩約7分 |
| 車 | 中央自動車道「一宮御坂IC」から約20分 中央自動車道「甲府南IC」から約25分 中央自動車道「甲府昭和IC」から約20分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり |
| 拝観料 | 500円(お戒壇巡り・鳴き龍の体験可) |
6. 金櫻神社(甲府市)

金運のご利益で名高い昇仙峡の神社
金櫻神社は、昇仙峡の頂上に鎮座し、金峰山を御神体としてお祀りする神社です。10代崇神天皇の御代に、疫病が蔓延したため金峰山の山頂に少彦名命を祀ったのが起源とされ、古くから人々の信仰を集めてきました。
金運上昇のパワースポット
御神宝は、この地で発掘され磨かれた水晶「火の玉・水の玉」です。また、御神木の「金の成る木の金櫻」は古くから民謡にも唄われており、うこん桜の前で水晶の生涯守りを手に祈願すると生涯金運に恵まれると言われています。
4月下旬には境内の御神木金櫻(うこん)桜が珍しい黄金色の花をつけ、多くの参拝者が訪れます。
初詣の行事
12月31日には大祓式と除夜祭が行われ、元日には歳旦祭と初祈願祭が執り行われます。初詣の参拝客には毎年甘酒(福酒)が振る舞われます。
アクセス情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 〒400-1218 山梨県甲府市御岳町2347 |
| アクセス | 昇仙峡の頂上に鎮座、車でのアクセスが便利 |
| 駐車場 | あり |
| おすすめ | 昇仙峡の観光と合わせて訪れるのがおすすめ |
7. 河口浅間神社(富士河口湖町)

世界遺産に登録された富士山信仰の社
河口浅間神社は、富士山の大噴火(864年)の翌年865年に、勅命により淺間明神をこの地にお祀りし、噴火を鎮めるための祭祀を行ったのが始まりとされています。
境内は「富士山世界文化遺産」の構成資産の一つとして世界遺産に登録されており、富士山の噴火を鎮めるために行われてきた伝統芸能「稚児の舞」は国の重要無形民俗文化財に指定されています。
特徴と見どころ
全国に約1300社ある浅間神社の多くは「せんげん」と呼ぶのに対し、河口浅間神社は「あさま」と呼び習わされてきた珍しい神社です。
境内には樹齢数百年の巨木が立ち並び、荘厳な雰囲気に包まれています。富士山を間近に望める立地も魅力で、初詣と合わせて富士山の絶景を楽しむことができます。
アクセス情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 山梨県南都留郡富士河口湖町河口 |
| アクセス | 河口湖周辺、車でのアクセスが便利 |
| おすすめ | 河口湖周辺の観光と合わせて訪れるのがおすすめ |
山梨県の初詣を快適に楽しむポイント
交通手段の選び方
初詣期間中は多くの神社仏閣で公共交通機関の利用が推奨されています。臨時バスや電車が運行されることも多く、渋滞を避けてスムーズに参拝できます。
車を利用する場合は、周辺道路の混雑や駐車場の満車に注意が必要です。事前に駐車場の場所や料金を確認し、時間に余裕を持って出発しましょう。特に人気の神社では臨時駐車場が設けられることもありますので、公式サイトなどで最新情報をチェックしてください。
防寒対策をしっかりと
山梨県の冬は寒さが厳しく、特に朝晩は気温が氷点下まで下がることもあります。初詣に訪れる際は、防寒対策を万全にしましょう。
- 厚手のコートやダウンジャケット
- マフラーや手袋
- 使い捨てカイロ
- 暖かい靴下や防寒靴
- 帽子やイヤーマフ
山間部の神社仏閣では雪が積もっている場合もありますので、天気予報を確認し、滑りにくい靴を選ぶことが大切です。
混雑を避けるコツ
元日の午前中と1月2日・3日の日中は特に混雑します。混雑を避けたい方は、以下の時間帯がおすすめです。
- 大晦日の深夜から元日の早朝(午前2時~6時頃)
- 元日の夕方以降
- 1月4日以降の平日
ただし、初日の出を見たい場合や特別な法要に参加したい場合は、混雑を覚悟して早めに出発することをおすすめします。
参拝の作法を確認
神社とお寺では参拝の作法が異なります。
【神社の参拝作法】
- 鳥居をくぐる前に一礼
- 手水舎で手と口を清める
- 賽銭を入れる
- 二礼二拍手一礼(出雲大社など一部の神社では作法が異なる場合あり)
【お寺の参拝作法】
- 山門で一礼
- 手水舎で手と口を清める
- 賽銭を入れる
- 合掌して静かに祈る(拍手はしない)
初詣と一緒に楽しみたい山梨グルメ
初詣の後は、山梨県のご当地グルメを堪能してはいかがでしょうか。
ほうとう
山梨県の代表的な郷土料理であるほうとうは、平打ちの太い麺を野菜と一緒に味噌仕立てで煮込んだ温かい料理です。冬の寒い日の初詣には、体の芯から温まるほうとうが最適です。
甲府鳥もつ煮
甲府市のB級グルメとして人気の鳥もつ煮は、鶏のもつを甘辛いタレで煮込んだ料理です。ご飯のおかずとしても、お酒のつまみとしても絶品です。
信玄餅
山梨土産の定番である信玄餅は、きな粉をまぶした餅に黒蜜をかけていただく和菓子です。初詣の帰りに、お土産として購入するのもおすすめです。
山梨ワイン
100年以上の歴史を持つ山梨ワインは、国内外で高く評価されています。甲府市内や勝沼町周辺には多くのワイナリーがあり、試飲や購入ができます。
まとめ
山梨県には、富士山信仰や武田信玄公ゆかりの歴史ある神社仏閣が数多く点在しています。勝運、金運、縁結び、学業成就など、さまざまなご利益を授かれるスポットが揃っており、それぞれに独自の魅力があります。
2026年の初詣は、雄大な富士山や南アルプスの絶景を眺めながら、山梨県の神社仏閣で新年の願いを込めてみてはいかがでしょうか。防寒対策をしっかりと行い、交通手段を事前に確認して、快適な初詣をお楽しみください。
この記事でご紹介した7つのスポットは、定番から穴場まで幅広く取り上げていますので、あなたの願いや旅のスタイルに合った初詣先がきっと見つかるはずです。2026年が皆様にとって素晴らしい一年となりますように。