和歌山県で迎える2026年の初詣
和歌山県の初詣では世界遺産に登録された熊野三山をはじめ、格式高い神社仏閣が数多く点在しています。
新年の幸せを願い、心を新たにする初詣は、家族や友人と訪れたい大切な行事です。
この記事では、2026年の初詣におすすめの和歌山県内の神社・お寺を7か所厳選してご紹介します。
定番の人気スポットから、比較的混雑を避けられる穴場まで、それぞれの特徴やアクセス情報、混雑状況などを詳しく解説していきます。
1. 日前神宮・國懸神宮(ひのくまじんぐう・くにかかすじんぐう)

和歌山市内で最も多くの初詣客が訪れる神社が「日前宮(にちぜんぐう)」の通称で親しまれる日前神宮・國懸神宮です。境内に2つの神宮が並んで鎮座する珍しい形式で、例年約35万人もの参拝者が訪れます。
歴史と由緒
紀伊国一宮として古くから信仰を集めてきた格式高い神社で、創建は神武天皇の東征以前と伝えられています。延喜式内社にも記載された由緒ある神社であり、戦前は官幣大社として国からの助成を受けていました。
日前神宮には日像鏡を御神体とする日前大神、國懸神宮には日矛鏡を御神体とする國懸大神が祀られており、いずれも天照大神に関わる神様として崇敬されています。
ご利益
縁結び、家内安全、良縁成就などのご利益があるとされ、和歌山県のパワースポットとしても知られています。1月10日の「えびす詣り」では、参道が深紅の市戎のぼりで彩られ、多くの参拝者で賑わいます。
初詣期間の情報
| 参拝時間 | 通常5:00~16:40、1月1日~3日は19:00閉門(入場は18:30頃まで) |
|---|---|
| 例年の人出 | 約35万人 |
| 混雑時間帯 | 1月1日~3日の10:00~15:00頃 |
| おすすめ参拝時間 | 早朝または夕方以降 |
アクセス・駐車場
| 電車 | JR和歌山駅から徒歩圏内、または和歌山電鐵「日前宮駅」から徒歩すぐ |
|---|---|
| 車 | 阪和自動車道「和歌山IC」から約15分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり(初詣時期は混雑するため公共交通機関の利用がおすすめ) |
| 住所 | 和歌山県和歌山市秋月365 |
2. 熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)

熊野三山の中心として全国約4,700社の熊野神社の総本宮にあたる熊野本宮大社は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録された格式高い神社です。「よみがえりの地」として古来から信仰を集めてきました。
歴史と由緒
もともとは熊野川・音無川・岩田川の合流地点にある大斎原(おおゆのはら)に鎮座していましたが、明治22年の大水害により現在地に遷座されました。主祭神の家都美御子大神(素盞鳴尊と同一視される)をはじめ、熊野の神々が祀られています。
ご利益
厄除け、心願成就、開運などのご利益があるとされています。熊野三山を巡ることで、過去・現在・未来の安寧を得られると古くから信じられてきました。
初詣期間の情報
| 参拝時間 | 8:00~17:00 |
|---|---|
| おすすめポイント | 158段の石段があるため、時間に余裕を持って参拝を |
| 所要時間 | 基本的な参拝のみで約1時間、大斎原も含めると約2~3時間 |
アクセス・駐車場
| 電車・バス | JR新宮駅から熊野交通バスで約60分「本宮大社前」下車、またはJR紀伊田辺駅から龍神バス・明光バスで約1時間15分~2時間 |
|---|---|
| 車 | 阪和自動車道「南紀田辺IC」から国道42号・311号経由で約1時間 |
| 駐車場 | 瑞鳳殿駐車場、熊野川河川敷駐車場など無料駐車場あり(初詣時期は正月臨時駐車場含め約800台) |
| 住所 | 和歌山県田辺市本宮町本宮1110 |
3. 熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)

熊野三山の一つで、熊野速玉大神と熊野夫須美大神の夫婦神を祀る神社です。新宮市の地名の由来となった神社で、初詣期間中は約19万人の参拝者が訪れます。
歴史と由緒
景行天皇58年に神倉山(現在の権現山)のゴトビキ岩から現在地に遷座されたと伝えられています。境内には樹齢1000年の御神木・ナギの大樹があり、国の天然記念物に指定されています。
ご利益
富貴隆昌、現世安穏、災厄消除、良縁結び、海上安全、病気平癒など、諸願成就の神格を持つとされています。ナギの葉は凪(穏やか)に通じ、世界平和を祈る木として信仰されています。
初詣期間の情報
| 参拝時間 | 終日参拝可能(授与所などは時間制限あり) |
|---|---|
| 例年の人出 | 約19万人 |
| 元旦の特別行事 | 午前0時に太鼓の音とともに神門が開かれる |
| 特徴 | 熊野三山の中でも階段が少なく、アクセスしやすい |
アクセス・駐車場
| 電車 | JR新宮駅から徒歩約15分 |
|---|---|
| 車 | 紀勢自動車道「新宮IC」から国道42号経由で約10分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり(30~40台、繁忙期は河原に臨時駐車場設置) |
| 住所 | 和歌山県新宮市新宮1 |
4. 熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)

熊野三山の一つで、日本三大滝の一つ「那智の滝」を御神体とする飛瀧神社と一体となっている神社です。例年約6万5千人から11万人の参拝者が訪れます。
歴史と由緒
熊野夫須美大神(イザナミノミコト)を主祭神として祀り、熊野信仰の中心として全国に4,000以上ある熊野神社の総本社とされています。世界遺産に登録された社殿は国の重要文化財に指定されています。
ご利益
現世利益、縁結び、海上安全などのご利益があるとされています。境内には八咫烏を祀る御縣彦社があり、サッカー日本代表チームが必勝祈願に訪れることでも知られています。
初詣期間の情報
| 参拝時間 | 熊野那智大社は6:00~18:00頃、飛瀧神社は終日参拝可能 |
|---|---|
| 例年の人出 | 約6万5千人~11万人 |
| 混雑時間帯 | 10:00~14:00頃 |
| おすすめ参拝時間 | 早朝または夕方以降 |
| 特別イベント | 大晦日から元日にかけて那智の滝がライトアップされる |
アクセス・駐車場
| 電車・バス | JR紀伊勝浦駅から熊野交通バスで約30分「那智山」下車 |
|---|---|
| 車 | 阪和自動車道「南紀田辺IC」から国道42号経由で約1時間30分 |
| 駐車場 | 青岸渡寺駐車場(神社防災道路通行料800円、30台)、お土産店の駐車場(400~500円)、大門坂駐車場(無料、100台、那智大社まで徒歩約40分) |
| 住所 | 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1 |
5. 紀三井寺(きみいでら)

和歌山市内で人気の初詣スポットの一つで、例年約10万人が参拝に訪れます。「近畿地方に春を呼ぶ寺」として桜の名所としても知られています。
歴史と由緒
奈良時代の770年に唐僧・為光上人によって開基された西国三十三所観音霊場の第2番札所です。十一面観世音菩薩を本尊とし、寺名の由来となった「清浄水」「楊柳水」「吉祥水」の三つの名水が境内に湧いています。
ご利益
231段の「結縁坂」と呼ばれる階段は、登れば良縁に恵まれ、商売繁盛と縁結びのご利益があると伝えられています。また、厄除け、病気平癒などの祈願にも多くの人が訪れます。
初詣期間の情報
| 本堂受付所 | 8:00~17:00(御朱印受付) |
|---|---|
| 例年の人出 | 約10万人 |
| 特別行事 | 除夜の鐘(希望者全員が先着順に撞くことができる) |
| 特徴 | ケーブルカーもあり、階段を登らずに参拝可能 |
アクセス・駐車場
| 電車 | JR「紀三井寺駅」から徒歩約10分 |
|---|---|
| バス | 南海和歌山市駅から和歌山バスで約25分「紀三井寺」下車、徒歩約10分 |
| 車 | 阪和自動車道「和歌山IC」から約20分 |
| 駐車場 | 北門前駐車場300円、山上駐車場700円 |
| 住所 | 和歌山県和歌山市紀三井寺1201 |
6. 紀州東照宮(きしゅうとうしょうぐう)

紀州藩初代藩主・徳川頼宣によって元和7年(1621年)に創建された徳川家康を祀る神社です。「関西の日光」とも称される豪華絢爛な社殿が特徴で、例年約7万人の初詣客が訪れます。
歴史と由緒
南海道の総鎮護として古くから信仰を集め、「権現さん」の愛称で地域の人々から親しまれてきました。108段の「侍坂」を上った先にある本殿には、左甚五郎作とされる彫刻や狩野探幽作の壁画があり、国の重要文化財に指定されています。
ご利益
厄除け、学業成就、縁結び、安産子育て、無病息災、交通安全、商売繁盛などのご利益があるとされています。楼門からは名勝・和歌浦の街並みを一望でき、初詣と合わせて境内の庭園散策も楽しめます。
初詣期間の情報
| 参拝時間 | 1月1~3日は日没まで(おまもり等の授与は9:00~17:00) |
|---|---|
| 例年の人出 | 約7万人 |
| 初詣行事 | 1月1日9:00「歳旦祭」、1月2日9:00「交通安全厄除祈願祭」、1月3日9:00「元始祭」(各祭典で浦安の舞奉納) |
| 特徴 | 左甚五郎の彫刻が一部無料公開される |
アクセス・駐車場
| 電車・バス | JR和歌山駅または南海和歌山市駅からバスで「権現前」下車 |
|---|---|
| 車 | 阪和自動車道「和歌山IC」から約20分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり(混雑時は満車になる可能性あり) |
| 住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦西2-1-20 |
7. 伊太祁曽神社(いたきそじんじゃ)

木の神様として知られる五十猛命を祀る紀伊国一宮です。病気平癒や厄除けのご利益で知られ、地元の人々から「いのち神」として親しまれている穴場スポットです。
歴史と由緒
『日本書紀』に記される樹木を植えて回った神様を祀り、「木の国」の名の由来となった神社です。『古事記』には大国主神の命を救った物語が記されており、このことから「いのち神」として厄除けや病気平癒の信仰が篤い神社です。
ご利益
病気平癒、厄除け、災難除けなどのご利益があります。木材関係者や、かつて船が木で造られていたことから漁師の参拝も多い神社です。
初詣期間の情報
| 参拝時間 | 終日参拝可能(社務所は時間制限あり) |
|---|---|
| 混雑状況 | 比較的ゆったりと参拝できる穴場スポット |
| おすすめポイント | 和歌山電鐵貴志川線の「たま電車」に乗って訪れることができる |
| 特徴 | 「三社参り」の一社(日前神宮・國懸神宮、竈山神社、伊太祁曽神社) |
アクセス・駐車場
| 電車 | 和歌山電鐵貴志川線「伊太祈曽駅」から徒歩約5分 |
|---|---|
| 車 | 阪和自動車道「和歌山IC」から約15分 |
| 駐車場 | 無料駐車場あり(約50台) |
| 住所 | 和歌山県和歌山市伊太祈曽558 |
和歌山県の初詣を楽しむためのポイント
混雑を避けるコツ
和歌山県の初詣スポットは、三が日の10:00~15:00が最も混雑します。早朝や夕方以降、または4日以降に参拝すると、比較的ゆったりとお参りできます。
熊野三山巡りについて
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三社を巡る「熊野三山巡り」は、それぞれが離れた場所にあるため、車での移動がおすすめです。一日で三社すべてを回ることも可能ですが、時間に余裕を持った計画を立てましょう。
防寒対策を忘れずに
和歌山県は比較的温暖な気候ですが、山間部にある神社や、海沿いの神社では冷え込むことがあります。特に熊野那智大社などの標高が高い場所では、しっかりとした防寒対策が必要です。
公共交通機関の活用
和歌山市内の神社は、初詣期間中は駐車場が混雑します。日前神宮・國懸神宮や紀三井寺など、電車やバスでアクセスしやすい神社は、公共交通機関の利用がおすすめです。
まとめ
和歌山県には、世界遺産に登録された熊野三山をはじめ、歴史と格式のある神社仏閣が数多く存在します。それぞれの神社には独自の歴史や特徴があり、ご利益も様々です。
2026年の初詣は、混雑状況や自分の願いに合わせて参拝先を選び、心を込めて新年の祈りを捧げましょう。熊野三山を巡る本格的な参拝から、和歌山市内で気軽に参拝できる神社まで、自分に合ったスタイルで初詣を楽しんでください。
皆様にとって2026年が素晴らしい一年となりますように。