2026年、滋賀県で訪れたい初詣スポット7選
琵琶湖を抱く滋賀県は、古くから近江国として栄え、由緒ある神社仏閣が数多く残る歴史豊かな地域です。
2026年の新年を迎えるにあたり、滋賀県内で訪れたい初詣スポット7選をご紹介します。
県内随一の参拝者数を誇る定番スポットから、自然に囲まれた穴場まで、それぞれの特徴や魅力をまとめました。
滋賀県の初詣の特徴と注意点
滋賀県の初詣には、他の地域とは異なる特徴があります。
特に気候と混雑状況については、事前に把握しておくことが重要です。
冬の気候への備え
滋賀県は内陸に位置し、琵琶湖の影響を受ける独特の気候を持ちます。
特に北部や山間部では雪が降ることもあり、初詣時期は厳しい寒さが予想されます。
比叡山延暦寺など標高の高い場所では、防寒対策と滑りにくい靴が必須です。
また、琵琶湖畔に位置する神社では、湖からの冷たい風が吹くため、想像以上に体感温度が低くなることがあります。
混雑への対策
多賀大社や近江神宮などの人気スポットでは、三が日に参拝者が集中します。
元旦の早朝や夕方以降、あるいは4日以降に参拝することで、混雑を避けることができます。公共交通機関の利用も検討しましょう。
1. 多賀大社(犬上郡多賀町)

滋賀県の初詣といえば、まず名前が挙がるのが「お多賀さん」の愛称で親しまれる多賀大社です。県内で最も多くの参拝者が訪れる神社として知られています。
多賀大社の特徴とご利益
多賀大社は、伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)をご祭神とする近江国一之宮です。日本の国土を生み出した国生みの神様、そして天照大御神をはじめとする八百万の神々をお生みになられた「命の神様」として、古くから崇敬されてきました。
主なご利益は、延命長寿・縁結び・厄除けです。境内には延命のご利益があるとされる「寿命石」があり、多くの参拝者が白石を奉納しています。また、豊臣秀吉が母大政所の病気平癒を祈願して寄進した太閤橋や、国指定名勝の奥書院庭園など、見どころも豊富です。
初詣期間の情報
三が日の参拝者数は約50万人にのぼり、滋賀県内随一の規模を誇ります。元旦には「歳旦祭」、1月3日には天下泰平や五穀豊穣を願う「翁始式」が執り行われます。
初詣期間中は境内から参道にかけて多数の露店が出店し、お祭りのような賑やかな雰囲気に包まれます。名物の「糸切り餅」もぜひ味わいたい逸品です。
混雑状況とアクセス
三が日は終日混雑が予想されます。特に元旦は早朝から夕方まで大変な混雑となり、駅の改札から行列ができることもあります。混雑を避けるなら、早朝や夕方以降、または4日以降の参拝がおすすめです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 滋賀県犬上郡多賀町多賀604 |
| アクセス | 近江鉄道「多賀大社前」駅より徒歩10分 名神高速彦根ICより車で10分 |
| 駐車場 | 通常時:境内駐車場あり(無料) 初詣期間:境内駐車場利用不可、国道307号線駐車場を利用 |
| 参拝時間 | 8:30~16:30(初詣期間は変動あり) |
2. 比叡山延暦寺(大津市)

標高848メートルの比叡山全域を境内とする天台宗総本山・比叡山延暦寺は、世界文化遺産にも登録されている日本仏教の聖地です。
延暦寺の歴史とご利益
延暦7年(788年)に最澄が開創した延暦寺は、1,200年以上の歴史を持ちます。法然、親鸞、日蓮、道元など、日本仏教各宗派の開祖を数多く輩出したことから「日本仏教の母山」と呼ばれています。
主なご利益は、厄除け・学業成就・商売繁盛・無病息災です。根本中堂には1,200年間灯り続ける「不滅の法灯」があり、その神秘的な雰囲気は訪れる者を圧倒します。
初詣行事とアクセス
元旦には「修正会」(10時30分~)、「護摩供養」(13時~)、「国祷会護摩供」などの新年行事が執り行われます。比叡山から望む初日の出も人気で、多くの参拝者が訪れます。
延暦寺は東塔・西塔・横川の3つの地域に分かれており、全てを巡るには半日から1日がかりとなります。初詣では東塔の根本中堂を中心に参拝するのが一般的です。
※比叡山ドライブウェイは12月31日~1月1日にかけて終夜営業しますが、積雪や凍結により通行規制される場合があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 滋賀県大津市坂本本町4220 |
| アクセス | JR湖西線「比叡山坂本」駅より坂本ケーブル利用 京都側:叡山電鉄「八瀬比叡山口」駅よりケーブル・ロープウェイ利用 車:比叡山ドライブウェイまたは奥比叡ドライブウェイ利用 |
| 拝観時間 | 東塔:9:00~16:00(通年) 西塔・横川:12~2月 9:30~16:00、3~11月 9:00~16:00 |
| 拝観料 | 東塔・西塔・横川共通券:1,000円 |
3. 白鬚神社(高島市)

琵琶湖に浮かぶ朱塗りの大鳥居が印象的な白鬚神社は、「近江の厳島」とも呼ばれる近江最古の神社です。約2,000年の歴史を誇り、全国の白鬚神社の総本社とされています。
白鬚神社の魅力とご利益
琵琶湖に立つ大鳥居は、白鬚神社のシンボルであり、滋賀県を代表する絶景スポットです。特に朝日が鳥居と重なる光景は神秘的で、初日の出スポットとしても人気があります。鳥居を撮影する際は、社務所前の展望台「藍湖白鬚台」を利用しましょう(国道横断は危険なため禁止されています)。
ご祭神は猿田彦命(さるたひこのみこと)で、主なご利益は延命長寿・縁結び・子授け・開運招福・学業成就・交通安全など、人の営みごと全般の「導きの神」として信仰されています。
参拝のポイント
現在の社殿は、豊臣秀吉の遺命により秀頼が片桐且元を奉行として造営したもので、本殿は国の重要文化財に指定されています。境内には与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑や松尾芭蕉の句碑もあり、文学的な趣も感じられます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 滋賀県高島市鵜川215 |
| アクセス | JR湖西線「近江高島」駅より徒歩約40分、タクシーで約5分 京都東ICより国道161号経由で約50分 |
| 駐車場 | あり(30台・無料) |
| 参拝時間 | 終日可能(社務所:9:00~17:00) |
4. 近江神宮(大津市)

大化の改新で知られる天智天皇を祀る近江神宮は、昭和15年に創建された比較的新しい神社ですが、百人一首かるたの聖地として全国的に有名です。
かるたの聖地
天智天皇が詠んだ「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」が小倉百人一首の巻頭歌であることから、近江神宮は「かるたの殿堂」と称されています。
毎年1月には、競技かるたの名人位・クイーン位決定戦が境内の近江勧学館で開催され、かるた愛好家の憧れの地となっています。映画「ちはやふる」のロケ地としても知られ、聖地巡礼に訪れるファンも多数います。
初詣の見どころ
元旦の午前0時には、年男による新年初太鼓が打ち鳴らされ、初詣が始まります。午前7時頃には外拝殿より初日の出を遥拝する「日の出遥拝式」が行われます。1月1~4日の間は甘酒所が開設され、5日までにご祈祷を依頼すると神楽が奉納されます。
主なご利益は、開運・厄除け・学業成就・文化学芸産業守護です。時の神様としても知られ、境内には日本最初の時計である漏刻(水時計)をはじめ、様々な時計が点在しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 滋賀県大津市神宮町1-1 |
| アクセス | 京阪電鉄「近江神宮前」駅より徒歩約9分 JR「大津京」駅より徒歩約20分、タクシーで約3分 |
| 駐車場 | あり(通常200台、正月は臨時駐車場含め500台) ※12/31~1/5のみ駐車料金1,000円、他期間は無料 |
| 参拝時間 | 6:00~18:00 |
5. 建部大社(大津市)

近江国一之宮である建部大社は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を主祭神とする滋賀県最古の歴史を持つ神社の一つです。
開運出世の神様
源頼朝が平家に捕らわれた際、建部大社に参拝して前途を祈願したという歴史があり、その後見事に源氏再興を果たしたことから、開運・出世・商売繁盛のご利益で知られています。新年から仕事を頑張りたい方にとって、特におすすめの初詣スポットです。
日本初の千円札の図柄
1945年に発行された日本初の千円紙幣(甲号券)の図柄に、日本武尊と建部大社本殿が使用されたという歴史もあります。本殿と権殿は国の重要文化財に指定されており、本殿前には神木の三本杉が立っています。
正月元旦には宝物殿が終日無料公開されます(通常は事前予約制で拝観料200円)。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 滋賀県大津市神領1-16-1 |
| アクセス | JR琵琶湖線「石山」駅よりバス15分「建部大社前」下車すぐ 京阪石山坂本線「唐橋前」駅より徒歩10分 名神高速瀬田西・東ICより車で5分 |
| 駐車場 | あり |
| ご祈祷受付 | 9:00~16:00 |
6. 日吉大社(大津市)

全国約3,800社ある日吉・日枝・山王神社の総本宮である日吉大社は、約2,100年の歴史を誇る古社です。平安京の表鬼門を守る神社として、方除け・厄除けのご利益で篤く信仰されてきました。
神猿(まさる)さんの魅力
日吉大社最大の特徴は、神様のお使いである「神猿(まさる)」です。「まさる」は「魔が去る」「勝る」に通じることから、大変縁起の良い存在とされています。
境内の様々な場所に神猿の像や装飾があり、西本宮楼門の軒下には「棟持猿」と呼ばれる木彫りの猿が四隅を支えています。社務所前の神猿舎では、実際に2匹の猿が飼育されており、参拝者に愛嬌を振りまいています。
お土産には、猿の形をした「神猿みくじ」が人気です。お尻の赤い紐を引っ張るとおみくじが現れ、おみくじを引いた後のマサルさんは置物として持ち帰り、玄関や神棚に飾って厄除けの御守りとして活用できます。
初詣の神事
元旦の午前5時から「大戸開神事」が執り行われます。篝火の中、片山社中による能「翁」や謡曲「四海波」が奉奏される厳かな神事で、多くの参拝者が見守ります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 滋賀県大津市坂本5-1-1 |
| アクセス | JR湖西線「比叡山坂本」駅より徒歩20分 京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅より徒歩10分 |
| 駐車場 | あり(無料) |
| 参拝時間 | 12/31 23:00~1/1 18:00 1/2以降 9:00~16:30(1/1の2~7時は祈祷・授与品の取扱いなし) |
| 拝観料 | 300円 |
7. 立木観音(立木山安養寺)(大津市)

瀬田川の鹿跳渓谷に位置する立木観音は、弘法大師が42歳の厄年に開基した浄土宗の寺院で、厄除けのご利益で知られる霊験あらたかな観音様です。
約800段の石段と厄除けの鐘
立木観音の最大の特徴は、本堂まで続く約800段の石段です。この石段を登ること自体が修行であり、心身を清めて新年を迎えるのにふさわしい初詣スポットといえます。
本堂からさらに石段を上ったところにある鐘楼「厄除の鐘」は、1撞きすると煩悩や厄を払うといわれており、初詣の参拝者に人気です。
弘法大師と白鹿の伝説
弘仁6年(815年)、諸国を修行中の弘法大師が瀬田川の対岸に光る霊木を見つけましたが、急流に阻まれ近づけずにいたところ、白い鹿が現れて大師を背に乗せて川を跳び渡り、霊木の前に導いて観世音菩薩の姿に変じたという伝説が残ります。
弘法大師は、自身が42歳の厄年であったことから「未来永劫の人々の厄難厄病を救い給え」と心願をこめ、立木のままの霊木に等身大の聖観世音菩薩像を彫り、建立したと伝えられています。
主なご利益は、厄除け・心願成就・病気平癒・無病息災・家内安全です。
※足腰に不安のある方向けに、車で行ける参道もあります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 滋賀県大津市石山南郷町奥山1231 |
| アクセス | JR「石山」駅より京阪バスで約25分「立木観音前」下車、そこから石段を800段(徒歩15~30分) 京滋バイパス南郷ICより車で10分 |
| 駐車場 | あり(初詣期間は有料の場合あり) |
| 受付時間 | 9:00~16:00 |
滋賀の初詣を楽しむためのポイント
参拝時期の選び方
一般的に初詣は三が日(1月1日~3日)に参拝するのが最も丁寧とされていますが、松の内(関東では1月7日まで、関西では1月15日まで)の期間内に参拝すれば初詣とされます。
混雑を避けたい方は、4日以降の参拝も検討しましょう。
服装と持ち物
滋賀県の冬は冷え込みが厳しいため、しっかりとした防寒対策が必要です。
特に比叡山延暦寺や立木観音など、山や標高の高い場所では、カイロや手袋、マフラーなどの防寒具を多めに持参しましょう。
また、石段を登る神社仏閣では、滑りにくく歩きやすい靴を選ぶことが大切です。
公共交通機関の活用
多賀大社や近江神宮など人気スポットでは、初詣期間中は駐車場が満車になり、周辺道路も渋滞します。
電車やバスなど公共交通機関を利用することで、スムーズに参拝できます。
まとめ
滋賀県には、延命長寿や縁結びで知られる多賀大社、世界遺産の比叡山延暦寺、琵琶湖に浮かぶ鳥居が美しい白鬚神社など、個性豊かな初詣スポットが数多くあります。
2026年の初詣は、それぞれの神社仏閣が持つ歴史や特色を理解しながら、ご自身の願いに合った場所を選んで参拝してみてはいかがでしょうか。
琵琶湖を中心とした美しい自然と、長い歴史が育んだ信仰の地・滋賀県で、素晴らしい新年のスタートを切りましょう。