沖縄県の初詣は独自の魅力がいっぱい!2026年は琉球文化に触れる年始を
沖縄県での初詣は本土とは一味違う、琉球文化の歴史を感じられる特別な体験です。琉球王国時代から信仰を集めてきた「琉球八社」をはじめ、太平洋から昇る初日の出を拝める寺院など、沖縄ならではの初詣スポットが数多く点在しています。
2026年の年始は、温暖な気候の沖縄で、青い海と歴史ある社寺を巡りながら、新年の祈りを捧げてみませんか。この記事では、定番の人気スポットから地元の人に愛される穴場まで、沖縄県内のおすすめ初詣スポット7選をご紹介します。
1. 沖縄県護国神社|県内最大級の初詣スポット

毎年約26万人が訪れる沖縄県内トップの人気神社
沖縄県護国神社は、那覇市の奥武山公園内に鎮座する沖縄県内最大級の初詣スポットです。日清・日露戦争以降に国難に殉ぜられた沖縄県出身の軍人・軍属をはじめ、沖縄戦で亡くなった一般住民など約18万柱の英霊が祀られています。
毎年の初詣参拝者数は約26万人にのぼり、県内でも屈指の人気を誇ります。12月31日から1月10日まで境内参道に数百灯の提灯が灯され、幻想的な雰囲気に包まれます。1月1日の午前6時30分には「歳旦祭」が執り行われ、新年を迎える最初の祭典として多くの参拝者で賑わいます。
厄除け・交通安全・商売繁盛など多彩なご利益
ご利益は厄除け、学業成就、縁結び、交通安全、商売繁盛のほか、家内安全や社運隆昌など、幅広い願いに対応しています。地元企業や家族連れの参拝者が多く訪れ、活気に満ちた初詣の雰囲気を味わえます。
お守りの授与は1月1日から3日まで終日可能で、4日以降は通常時間となります。三が日は特に混雑が予想されるため、公共交通機関の利用がおすすめです。
アクセス・混雑情報
那覇空港から車で約10分、ゆいレール「奥武山公園駅」または「壺川駅」から徒歩約8分とアクセス良好です。那覇空港から北向きに進むと、右手に大きな鳥居が見えるのが目印です。三が日は周辺道路が混雑するため、時間に余裕を持った参拝計画をおすすめします。
住所:沖縄県那覇市奥武山町44
参拝時間:12月31日~1月3日は終日参拝可能、1月4日以降は通常時間
主なご利益:厄除け、学業成就、縁結び、交通安全、商売繁盛、家内安全
2. 波上宮|海を望む絶景の琉球八社

琉球八社の最高位に位置する「なんみんさん」
波上宮(なみのうえぐう)は、那覇港と那覇泊港の間、海岸沿いの断崖上に立つ琉球八社の一つで、その中でも最上位に位置する格式高い神社です。地元の人々からは「なんみんさん」の愛称で親しまれ、毎年約20万人の初詣参拝者が訪れます。
熊野三所権現を祀り、琉球王朝時代から海上交通の安全、豊漁、豊穣などの信仰を集めてきました。目の前に広がる東シナ海の絶景と共に参拝できる、沖縄ならではのロケーションが魅力です。
多岐にわたるご利益と充実の初詣イベント
ご利益は厄除け、学業成就、縁結び、安産子育て、無病息災、交通安全、商売繁盛など多岐にわたります。特に国家鎮護、航海安全、豊漁、豊穣、諸産業の振興、家内安全といった諸願成就の神として篤く信仰されています。
1月1日午前7時には「歳旦祭」、1月3日午前10時には「元始祭」が執り行われます。第一鳥居から第二鳥居までの参道には数多くの屋台が並び、お正月の賑やかな雰囲気を楽しめます。また、隣接する波の上ビーチでもお祭りが開催され、参拝後に立ち寄ることができます。
交通規制に注意してアクセスを
12月31日23時から1月1日3時まで、波上宮周辺の道路で車両通行止めの交通規制が実施されます。車でアクセスする場合は、近隣のパーキングをいくつか確認してから余裕を持って行動することをおすすめします。
波上宮裏の海に架かる橋まで行けば、初日の出を望むこともできます。西向きの那覇ですが、橋の上からは東側の景色が開けるため、初日の出鑑賞スポットとしても人気です。
住所:沖縄県那覇市若狭1-25-11
初詣行事:1月1日7時~歳旦祭、1月3日10時~元始祭
主なご利益:厄除け、縁結び、安産子育て、交通安全、商売繁盛、海上安全
交通規制:12月31日23時~1月1日3時まで周辺道路通行止め
3. 普天満宮|神秘的な洞窟を持つ中部最大の聖地

「むすびの神」として10万人以上が参拝
普天満宮(ふてんまぐう)は、宜野湾市普天間にある琉球八社の一つで、沖縄県中部最大の聖地として地元の人々に深く愛されています。別称「普天満権現」「普天満神宮」とも呼ばれ、創建は琉球古神道の神々を洞窟に祀ったことに始まり、1450年頃に熊野権現を合祀したと伝えられています。
「むすびの神」として篤く信仰され、毎年10万人以上の参拝者が訪れます。恋愛成就や縁結びのご利益があることで有名で、家族連れからカップルまで幅広い層に人気です。
奥宮「普天満洞穴」は必見のパワースポット
本殿裏手にある奥宮「普天満洞穴」は、琉球古神道の神々が祀られた神秘的な空間です。受付をするだけで無料で拝観でき、静かな空気の中で祈りを捧げることができます。沖縄八社の中でも特に神秘的な雰囲気に包まれた、必見のパワースポットです。
初詣時期には交通規制がされるほど混雑します。大晦日には臨時駐車場からシャトルバスが運行され、周辺には屋台や露店も並びます。参拝は1月1日から5日まで8時から21時となっています。
主祭神と多様なご利益
主祭神は熊野三神(伊弉冉尊、速玉男尊、事解男尊)、天照大御神、家都御子神、琉球古神道神です。特に主祭神の一柱である伊邪那美命は、安産・夫婦円満のご利益で知られています。むすびの神として、恋愛成就や縁結びを願う参拝者が多く訪れます。
住所:沖縄県宜野湾市普天間1丁目27-10
参拝時間:1月1日~5日は8時~21時
主なご利益:縁結び、恋愛成就、安産、夫婦円満、むすび
見どころ:普天満洞穴(奥宮)無料拝観可
4. 沖宮|奥武山公園内の親しみやすい琉球八社

厄除けと復縁で人気の庶民的な神社
沖宮(おきのぐう)は、琉球八社の一つとして数えられる神社で、那覇市の奥武山公園内に鎮座しています。天照大御神・熊野三神をお祀りし、伝統的な厄除け・交通安全の神社として知られていますが、近年では復縁のご利益でも人気を集めています。
護国神社と背中合わせの位置にあり、お互いの距離はわずか約100mですが、道のりは約500mと少し離れています。同じ奥武山公園内にあるため、2つの神社を合わせて初詣することができます。
庶民的で親しみやすい雰囲気
沖宮の特徴は、とにかく庶民的で気軽に参拝できる雰囲気です。神社に隣接してカフェ「沖の茶屋」があり、様々な体験教室も開催されているなど、沖縄で最も親しみやすい神社といえます。
初詣期間中は、参道に40店以上の店が並び、多くの参拝者で賑わいます。大晦日から元旦にかけては終日参拝ができ、境内ではカウントダウンイベントも開催されます。
那覇空港からアクセス良好
那覇空港からゆいレールで3駅目、所要時間約6分、運賃270円とアクセス抜群です。観光客にも人気のスポットで、産業まつりなどのイベントで賑わう奥武山公園と合わせて訪れることができます。
公園内には沖宮の他に、護国神社・世持神社もあります。世持神社の神体は波上宮境内に置かれていますが、沖縄産業の三恩人である野国総管・儀間真常・蔡温を祀る神社です。
住所:沖縄県那覇市奥武山町44
アクセス:ゆいレール「奥武山公園駅」から徒歩4分
主なご利益:厄除け、交通安全、復縁、国家安穏、五穀豊穣
初詣イベント:大晦日~元旦は終日参拝可、カウントダウンイベントあり
5. 識名宮|病気平癒のご利益で有名な落ち着いた穴場

琉球国王の病気回復伝説が残る由緒ある神社
識名宮(しきなぐう)は、那覇市繁多川にある琉球八社の一つです。琉球国王・尚元王が息子の病気回復を願い、霊石に祈りを捧げたところ病気が良くなったことから、その霊石を祀り社を建てたという伝説が残されています。
この由来から病気平癒のご利益が特に有名で、県内外問わず多くの人が健康祈願に訪れます。また、家内安全の神様としても崇敬され、地元の人々に深く愛されています。
静かに手を合わせられる穴場スポット
元旦には「初空き」と呼ばれる新年の神事が午前9時から執り行われ、地元の人々が一年の無病息災を祈ります。境内では地元商店による出店もあり、温かいぜんざいや縁起物が販売されます。
こじんまりとした印象ながら、立派な鳥居や拝殿を前にすると気が引き締まる雰囲気です。有名神社のような長い行列はなく、落ち着いた雰囲気の中で静かに手を合わせたい方におすすめのスポットです。
毎月1日・15日は洞窟が公開
洞窟から光が差し、そこで祈ると病気が治ったという言い伝えがあります。この洞窟は新暦の1日と15日に本殿裏で解放され、実際に洞窟の中を見学することができます。一説によると願いを叶えてくれる光り輝く石が祀られているとのことです。
国際通りから車で15分ほどの場所にあり、道沿いに鳥居があるため分かりやすい立地です。駐車場を探す際は、沖縄関ヶ原石材の看板を目印に曲がると分かりやすいという情報もあります。
住所:沖縄県那覇市繁多川4丁目1-43
初詣行事:1月1日午前9時~「初空き」(新年の神事)
主なご利益:病気平癒、健康祈願、家内安全
特別公開:毎月1日・15日に本殿裏の洞窟を公開
6. 成田山福泉寺|初日の出を拝める交通安全祈願の名所

太平洋から昇る初日の出を拝める絶景寺院
成田山福泉寺(なりたさんふくせんじ)は、中頭郡中城村にある真言宗智山派の寺院で、千葉・成田山新勝寺の末寺です。中城山を背に太平洋を前面にして、中城湾を一望できる山の中腹に位置し、朝日が海から昇ってくる景勝の地として広く知られています。
初日の出の名所として特に人気があり、元旦には水平線から昇る初日の出を見るために夜中から境内で待つ参拝者も多数訪れます。お正月三が日は24時間参拝可能で、祈願所受付は1月1日は8時から夕方まで対応しています。
沖縄における交通安全祈願の総本山
1975年(昭和50年)に創建されて以来、沖縄における不動尊霊場の総府として人々の信仰を集めています。特に交通安全祈願で有名で、沖縄県民の車に成田山のステッカーが貼ってあることもしばしば見られます。
1972年の本土復帰の際、右側通行から左側通行に切り替わったことに伴い、交通安全祈願のための「大護摩供」がこの福泉寺を中心に行われました。それ以来「交通安全なら福泉寺へ」と言われるようになり、現在でも多くの参拝者が交通安全を祈願しに訪れます。
朱色の美しい本堂と充実の初詣イベント
朱色の美しい本堂と社殿が特徴で、沖縄の自然と調和した佇まいです。お正月や節分祭には県下最高の賑わいを記録し、初詣には少数ながら出店も並びます。交通安全、無病息災、家内安全、商売繁盛、学業成就などのご利益があり、幅広い願いに対応しています。
車のお祓いは午前8時から19時まで受け付けており、年末年始は常時混雑が予想されます。那覇市内から国道329号・330号経由で約40分、沖縄自動車道北中城ICから約5分とアクセス良好です。
住所:沖縄県中頭郡中城村字伊舎堂617
参拝時間:正月三が日は24時間、通常は8時30分~17時
主なご利益:交通安全、無病息災、家内安全、商売繁盛、学業成就
見どころ:太平洋から昇る初日の出、朱色の美しい本堂
7. 首里観音堂(慈眼院)|除夜の鐘を撞ける歴史ある寺院

沖縄随一の観音信仰の聖地
首里観音堂(慈眼院)は、1618年に創建された臨済宗妙心寺派の寺院で、「首里観音堂」の愛称で古くから信仰を集めてきました。正式名称は慈眼院で、沖縄県那覇市首里に位置する歴史ある寺院です。
ご本尊は千手観音菩薩で、沖縄随一の観音信仰の聖地として知られています。千手観音菩薩の他にも、普賢菩薩・虚空蔵菩薩・地蔵菩薩・薬師如来・勢至菩薩・三方荒神・風神雷神を祀り、学業成就・無病息災・旅の安全祈願など、様々なご利益があることで有名です。
除夜の鐘を撞ける貴重な寺院
那覇で除夜の鐘を撞くことができる貴重な寺院です。首里の高台にあるため、その鐘の音は那覇市街全域に響き渡ります。大晦日から元旦にかけては除夜の鐘が行われ、一般の参拝者も参加可能です。
初詣期間中は、例年約3万人の参拝者が訪れ、家内安全や交通安全、健康祈願を行います。境内には樹齢120年のガジュマルの木があり、パワースポットとしても人気を集めています。
「首里十二支巡り」の霊場
首里観音堂は、沖縄では十二支の守り本尊を巡拝する「首里十二支巡り」の霊場でもあります。自分の干支の守り本尊を巡拝することで、より深い信仰体験ができます。
ゆいレール「儀保駅」から徒歩18分の距離にあり、首里城観光と合わせて訪れることができる立地です。歴史と伝統を感じながら、静かに新年の祈りを捧げられる寺院です。
住所:沖縄県那覇市首里山川町3-1
アクセス:ゆいレール「儀保駅」から徒歩18分
主なご利益:学業成就、無病息災、旅の安全祈願、家内安全、健康祈願
見どころ:除夜の鐘(参加可能)、樹齢120年のガジュマル、首里十二支巡り
沖縄の初詣で知っておきたいマナーと注意点
琉球八社とは?沖縄独自の神社文化
沖縄の初詣で頻繁に耳にする「琉球八社」とは、明治以前に琉球王府から特別の扱いを受けた8つの官社のことです。那覇市内に6社、中部に2社が点在しており、波上宮、沖宮、識名宮、安里八幡宮、末吉宮、天久宮、普天満宮、金武宮がこれに該当します。
それぞれ異なる神様を祀っていますが、基本的には熊野三神の「伊弉冉尊(いざなみのみこと)」「速玉男尊(はやたまをのみこと)」「事解男尊(ことさかをのみこと)」が祀られています。家内安全・工事安全・五穀豊穣、厄除け、悪縁切り・学問などのご利益があるとされています。
沖縄の初詣参拝方法
沖縄には独自の「御願(ウグァン)」文化がありますが、初詣では全国的な参拝方法に倣ってお参りを済ませるのが一般的です。神社では二礼二拍手一礼、寺院では合掌して静かに祈りを捧げます。
沖縄の御嶽(ウタキ)への巡拝は忌み月とされる正五九月(1月・5月・9月)に行われますが、これは初詣とは別の機会に拝むのが通例です。御嶽は沖縄の琉球神道における聖域の総称で、地元の方々の深い信仰を集めています。
混雑回避のポイント
沖縄の主要な初詣スポットは、元旦から三が日にかけて大変混雑します。特に護国神社や波上宮、普天満宮などの人気スポットは、早朝や夕方の時間帯を狙うと比較的スムーズに参拝できます。
車でアクセスする場合、近隣の駐車場を事前に複数確認しておくことをおすすめします。特に波上宮は交通規制が実施されるため、公共交通機関の利用も検討しましょう。混雑を避けたい方は、識名宮や首里観音堂などの穴場スポットを選ぶのも良い選択です。
沖縄の気候と服装
沖縄は1年を通して温暖な気候ですが、1月の平均気温は17度前後で、本土に比べれば暖かいものの、朝晩は冷え込むこともあります。薄手のジャケットやカーディガンなど、調整しやすい服装がおすすめです。
初日の出を見に行く場合は、海風が冷たいことがあるため、防寒対策をしっかり行いましょう。成田山福泉寺など高台にある寺社では、特に風が強いことがあるので注意が必要です。
まとめ:2026年は沖縄ならではの初詣で新年をスタート
沖縄県の初詣スポットは、琉球王国時代から続く歴史ある神社仏閣が多く、独自の文化と伝統を感じられる特別な体験ができます。県内最大級の護国神社や海を望む波上宮といった定番スポットから、静かに参拝できる識名宮や首里観音堂といった穴場まで、それぞれに魅力があります。
2026年の年始は、温暖な気候の沖縄で、青い海と歴史ある社寺を巡りながら新年の祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。太平洋から昇る初日の出、神秘的な洞窟、除夜の鐘など、沖縄ならではの初詣体験が、新しい一年を素晴らしいものにしてくれるはずです。
初詣の際は、各神社仏閣の参拝時間や混雑状況を事前に確認し、余裕を持った計画を立てることをおすすめします。琉球文化に触れながら、心新たに2026年をスタートさせましょう。