新年の幸せを祈る初詣。熊本県には歴史と格式を誇る神社が数多く点在し、毎年多くの参拝者で賑わいます。本記事では、熊本城内の由緒ある神社から阿蘇の大自然に抱かれた古社、さらに知る人ぞ知る穴場スポットまで、2026年の初詣におすすめの神社を7つ厳選してご紹介します。
混雑を避けるコツやアクセス情報、各神社のご利益など、初詣に役立つ情報を網羅的にお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
熊本県の初詣事情と参拝のポイント
熊本県の初詣の特徴
熊本県の初詣は、熊本城周辺の都市型神社と、阿蘇地域の自然豊かな神社という2つの特色があります。県内トップの参拝者数を誇る藤崎八旛宮をはじめ、加藤清正公を祀る加藤神社、日本最古級の阿蘇神社など、歴史と伝統を感じられる神社が揃っています。
三が日は主要神社で大変な混雑が予想されますが、早朝参拝や4日以降の参拝を選ぶことで、比較的ゆったりとお参りできます。
混雑回避のコツ
熊本県の主要神社では、元日の午前中から夕方にかけてが最も混雑します。混雑を避けたい方は以下の時間帯がおすすめです。
- 大晦日の23時頃から元日の午前2時頃(年越し参拝)
- 元日の早朝6時から8時頃
- 1月2日・3日の早朝や夕方以降
- 1月4日以降の平日
なお、初詣は一般的に松の内(1月7日まで、地域によっては1月15日まで)に行くとされていますので、混雑を避けて4日以降にゆっくり参拝するのもよい選択です。
服装と持ち物
熊本県は冬でも比較的温暖ですが、元日の早朝や阿蘇地域は冷え込みが厳しくなります。防寒対策をしっかり行い、歩きやすい靴で参拝しましょう。また、お賽銭用の小銭を事前に用意しておくとスムーズです。
1. 藤崎八旛宮|熊本市内で最も賑わう総鎮守

藤崎八旛宮は熊本市の総鎮守として、県内トップの参拝者数を誇る初詣スポットです。三が日で約30万人が訪れ、新年の活気あふれる雰囲気を味わえます。
歴史と由緒
承平5年(935年)、朱雀天皇が平将門の乱平定を祈願し、京都の石清水八幡宮から勧請を受けて創建されました。鎌倉時代以降は歴代領主の崇敬を受け、江戸時代には熊本城の鎮守社として栄えました。
ご祭神とご利益
一宮に武運長久・勝利の神である応神天皇、二宮に厄祓いの神である住吉大神、三宮に子宝・安産・育児の御神徳がある神功皇后をお祀りしています。
- 厄除け・開運
- 商売繁盛
- 安産・子育て
- 交通安全
- 家内安全
2026年の初詣情報
元旦には「歳旦祭」が行われ、新年の無病息災を祈願する参拝者で終日賑わいます。参道沿いには屋台が立ち並び、熊本名物を味わいながら参拝を楽しめます。夜間は参道の灯篭が点灯し、幻想的な雰囲気に包まれます。
混雑状況と参拝のコツ
三が日は特に午前10時から午後4時頃まで大変混雑します。混雑を避けたい方は早朝参拝か、4日以降の参拝がおすすめです。
アクセス情報
住所:熊本県熊本市中央区井川淵町3-1
電車でのアクセス:
- 熊本市電「水道町」電停より徒歩約10分
- 熊本市電「九品寺交差点」電停より徒歩約8分
車でのアクセス:九州自動車道「熊本IC」より約15分
駐車場:周辺に有料駐車場あり(三が日は混雑が予想されます)
2. 加藤神社|熊本城内に鎮座する勝運の神様

加藤神社は熊本城内に位置し、境内から熊本城天守閣を望める絶景スポットとしても人気です。熊本市内では藤崎八旛宮に次ぐ参拝者数を誇り、例年約15万人が訪れます。
歴史と由緒
熊本の発展に尽くした加藤清正公を祀る神社です。地元では「セイショコさん」「清正公さん」と呼ばれ親しまれています。創建時は錦山神社と称していましたが、明治42年(1909年)に現社名に改称。昭和37年(1962年)に現在地に遷宮されました。
ご祭神とご利益
加藤清正公は「土木の神」「武運の神」として知られ、以下のご利益があります。
- 必勝祈願・勝運
- 商売繁盛・出世運
- 土木建築安全
- 学業成就
- 家内安全
2026年の初詣情報
授与所は12月31日から1月1日は終日、1月2日は22時まで、3日は21時まで開設されます。元日には「歳旦祭」、1月3日には「元始祭」が執り行われます。
見どころ
境内から見上げる熊本城の大小天守と宇土櫓の眺めは絶景です。初詣と熊本城観光を一緒に楽しめる、一石二鳥のスポットです。
アクセス情報
住所:熊本県熊本市中央区本丸2-1
電車でのアクセス:熊本市電「熊本城・市役所前」電停より徒歩約15分
車でのアクセス:九州自動車道「熊本IC」より約20分
駐車場:熊本城二の丸駐車場ほか周辺駐車場を利用
電話番号:096-352-7316
3. 阿蘇神社|日本三大楼門を擁する古社

阿蘇神社は全国に約500社ある「阿蘇神社」の総本社で、約2300年の歴史を誇ります。2024年12月には熊本地震からの復旧工事が完了し、日本三大楼門の一つとして知られる美しい楼門が復活しました。
歴史と由緒
社記によれば、孝霊天皇9年(紀元前282年)の創建と伝えられる古社です。阿蘇開拓の祖神である健磐龍命をはじめ12神を祀り、肥後一の宮として古くから農業神として厚く尊崇されています。
ご祭神とご利益
主祭神は健磐龍命をはじめとする阿蘇神族で、以下のご利益があります。
- 五穀豊穣・農業繁栄
- 縁結び・良縁祈願
- 交通安全
- 厄除け・開運
見どころ
九州最大規模を誇る楼門は圧巻の美しさです。境内にある「高砂の松」は夫婦円満・縁結びの象徴として人気のパワースポットです。門前町には阿蘇の名物「あか牛」料理やスイーツを楽しめるお店も立ち並びます。
アクセス情報
住所:熊本県阿蘇市一の宮町宮地3083-1
電車でのアクセス:JR豊肥本線「宮地駅」より徒歩約15分、またはバスで約5分
車でのアクセス:九州自動車道「熊本IC」より約60分
駐車場:あり(三が日は混雑が予想されます。早朝参拝がおすすめ)
4. 出水神社|水前寺成趣園の中に鎮座する神社

出水神社は、熊本市の名勝・水前寺成趣園を境内地にもつ神社です。美しい日本庭園の中での参拝は、新年にふさわしい清々しい気持ちにさせてくれます。
歴史と由緒
明治10年(1877年)の西南の役で熊本の街が焼け野が原となった後、旧熊本藩士たちが藩主の御霊を祀り、熊本の街を発展させようと明治11年(1878年)に創建しました。肥後細川家初代細川藤孝公ほか三柱を主祭神とし、歴代藩主とガラシャ夫人など、合わせて十五柱が祀られています。
ご祭神とご利益
- 厄除け・開運
- 学業成就
- 縁結び
- 無病息災
- 交通安全
- 商売繁盛
2026年の初詣情報
参拝時間は12月31日23時から1月3日まで終日参拝可能です。授与所は12月31日23時から1月1日19時、2・3日は8時から19時まで開設されます。元日の6時30分から「歳旦祭」が執り行われます。
見どころ
水前寺成趣園の美しい池泉回遊式庭園を眺めながらの参拝は格別です。初詣と合わせて庭園散策も楽しめます。
アクセス情報
住所:熊本県熊本市中央区水前寺公園8-1
電車でのアクセス:熊本市電「水前寺公園」電停より徒歩約5分
車でのアクセス:九州自動車道「熊本IC」より約20分
駐車場:水前寺成趣園駐車場を利用(有料)
5. 高橋稲荷神社|日本稲荷五社の商売繁盛の神様

高橋稲荷神社は日本稲荷五社の一つに数えられ、商売繁盛の神様として広く知られています。朱色が美しい楼門や大鳥居、大提灯が圧巻で、高台にある社殿からの眺めも絶景です。
歴史と由緒
明応5年(1496年)、隈本城の初代城主鹿子木親員が支城として上代城を築いた際、城内鎮守のため京都の伏見稲荷神社から稲荷大明神を勧請したのが始まりです。天文10年(1541年)に一度焼失しましたが、江戸時代に入り、熊本藩主細川氏の菩提寺の首座が夢で稲荷神社再興の啓示を受け、寛文元年(1661年)に現在地に社殿を再建しました。
ご祭神とご利益
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
- 家内安全
- 学業成就(奥宮・源策社)
- 安産・縁結び(奥宮・峯吉社)
- 病気除災(奥宮・元吉社)
見どころ
奥宮にはさまざまな神様が祀られており、一度の参拝で多様な願いを祈願できます。朱色の社殿が美しく、フォトスポットとしても人気です。
アクセス情報
住所:熊本県熊本市西区上代9丁目6-20
電車でのアクセス:JR鹿児島本線「田崎橋駅」より徒歩約40分(バスまたはタクシー利用推奨)
車でのアクセス:九州自動車道「熊本IC」より約20分
駐車場:あり
授与所受付時間:8:30~16:30
電話番号:096-329-8004
6. 熊本県護国神社|静寂の中で平和を祈る

熊本県護国神社は、明治以降の戦争で命を落とした熊本出身の英霊約6万5千柱を祀る神社です。広々とした境内は静かで厳かな雰囲気に包まれ、平和への祈りを捧げる場所として親しまれています。
歴史と由緒
明治2年(1869年)、肥後藩主細川韶邦公、細川護久公が花岡山に招魂社を創建したのが始まりです。昭和14年(1939年)に内務省令により熊本県護国神社となり、昭和32年(1957年)に現在地に遷座しました。
ご祭神とご利益
- 国家安泰・平和祈願
- 家内安全
- 厄除け
見どころ
境内には戦没者のためのさまざまな慰霊碑が建ち、戦争歴史資料館もあります。神風連の乱の際に本陣が置かれた場所で、神風連挙兵本陣跡の碑も建っています。
アクセス情報
住所:熊本県熊本市中央区宮内3番1号
電車でのアクセス:熊本市電「熊本城・市役所前」電停より徒歩約15分
車でのアクセス:九州自動車道「熊本IC」より約20分
駐車場:あり
電話番号:096-352-6353
7. 幣立神宮|九州屈指のパワースポット【穴場】

幣立神宮は、九州の中央部・山都町に位置する日本最古級の神社とされ、九州屈指のパワースポットとして知られています。神代の時代から続くとされる歴史と、深い森に包まれた神秘的な雰囲気が魅力の穴場スポットです。
歴史と由緒
社伝によれば、神武天皇の孫である健磐龍命が阿蘇に下向した際、この地で休憩し、幣帛を立てて天神地祇を祀ったのが始まりとされています。15000年の歴史があるという説もあり、高天原神話の発祥の地ともいわれています。
ご祭神とご利益
主祭神は神漏岐命・神漏美命で、天御中主大神、天照大神、阿蘇十二神も祀られています。
- 開運・浄化
- 世界平和
- 心願成就
- 家内安全
見どころ
境内には樹齢2000年とされる「五百枝杉」のご神木があり、圧倒的な存在感を放っています。東水神宮には湧水があり、持ち帰りも可能です。ゼロ磁場としても知られ、スピリチュアルな雰囲気を感じられます。
参拝のポイント
山間部に位置するため、冬季は路面凍結の可能性があります。天候や道路状況を確認してから訪れることをおすすめします。参道の階段は約150段あるため、歩きやすい靴で訪れましょう。
アクセス情報
住所:熊本県上益城郡山都町大野712
車でのアクセス:九州自動車道「御船IC」より約50分、または「松橋IC」より約50分
バスでのアクセス:熊本交通センターから熊本バス「通潤山荘行き」→「浜町」で乗り換え「馬見原行き」→「大野幣立宮前」下車すぐ(所要時間約2時間20分)
駐車場:あり(本殿近くまで車で行けます)
熊本県の初詣マナーと参拝作法
基本的な参拝作法
神社での参拝は「二礼二拍手一礼」が基本です。
- 鳥居をくぐる前に一礼します
- 手水舎で手と口を清めます
- 拝殿前で軽く一礼し、お賽銭を入れます
- 鈴があれば鳴らします
- 二回深くお辞儀をします
- 胸の高さで両手を合わせ、二回拍手します
- 願い事を心の中で唱えます
- 最後に深く一礼します
おみくじとお守りについて
おみくじは神様からのメッセージとして大切に受け取りましょう。凶が出ても落ち込む必要はありません。注意すべき点として受け止め、神社の木に結んで帰るのが一般的です。
お守りは1年ごとに新しいものに替えるのが良いとされています。古いお守りは神社の古札納所に納めるか、お焚き上げしてもらいましょう。
2026年の初詣を充実させるための準備
事前に調べておくこと
- 神社の営業時間と授与所の開設時間
- 駐車場の有無と混雑状況
- 公共交通機関の運行状況(正月ダイヤに注意)
- 周辺の飲食店や休憩スポット
当日の持ち物チェックリスト
- 小銭(お賽銭用)
- 御朱印帳(希望する場合)
- 防寒着(早朝や阿蘇地域は冷え込みます)
- 歩きやすい靴
- マスクやハンカチ(感染症対策)
まとめ|2026年は熊本の神社で良い一年のスタートを
熊本県には、都市部の賑やかな神社から大自然に抱かれた静かな古社まで、多様な初詣スポットがあります。定番の藤崎八旛宮や加藤神社で新年の活気を感じるのもよし、阿蘇神社や幣立神宮で厳かな雰囲気の中で心を整えるのもよし。
2026年の初詣は、本記事を参考にご自身に合った神社を選んで、素晴らしい一年のスタートを切ってください。混雑を避けたい方は早朝参拝や4日以降の参拝もおすすめです。
どの神社を訪れても、感謝の気持ちと新年への願いを込めて、心を込めて参拝することが大切です。2026年が皆様にとって素晴らしい一年となりますように。