新年の訪れとともに、多くの人々が初詣に出かける季節がやってきました。
香川県には、四国随一の参拝者数を誇る金刀比羅宮をはじめ、弘法大師空海ゆかりの歴史ある寺社が数多く点在しています。
この記事では、2026年の初詣におすすめの香川県内の神社・寺院を7ヶ所厳選してご紹介します。
定番の人気スポットから知る人ぞ知る穴場まで、それぞれの特徴やご利益、アクセス情報を詳しく解説していきますので、初詣先選びの参考にしてください。
1. 金刀比羅宮(琴平町)|四国随一の参拝者数を誇る「こんぴらさん」
金刀比羅宮は、「こんぴらさん」の愛称で親しまれる香川県を代表する神社です。年間を通じて多くの参拝者が訪れますが、特に初詣期間は四国屈指の参拝者数を誇り、三が日だけで50万人以上が訪れることもあります。
歴史と由緒
琴平山(象頭山)の中腹に鎮座する金刀比羅宮の創建年代は明らかになっていませんが、極めて古い歴史を持ちます。かつては大物主神を御祭神としてお祀りし、神仏習合により金毘羅大権現と称されていました。永万元年(1165年)には、讃岐国で崩御された崇徳天皇の神霊を本社相殿にお迎えしています。
琴平山はその昔、海の上にあったことから海上交通の守り神として地元漁師や船員からの篤い信仰を集めてきました。境内の絵馬殿には、航海の安全を祈願した多数の絵馬が奉納されており、その歴史を今に伝えています。
初詣の見どころとご利益
本宮までは785段の石段を登る必要があり、参道には多くの参拝者で賑わいます。三が日には神楽の奉納や新春大祓などの特別な正月行事が行われ、厳かな雰囲気の中で新年を迎えることができます。
ご利益は海上安全、交通安全をはじめ、商売繁盛、家内安全、縁結びなど多岐にわたります。参道には土産物店や飲食店が立ち並び、讃岐うどんなどの地元グルメも楽しめます。
アクセス情報
- 住所: 香川県仲多度郡琴平町892-1
- 参拝時間: 本宮は6:00~18:00(時期により変動あり)
- 電車: JR琴平駅またはことでん琴平駅から徒歩約20分(参道入口まで)
- 車: 善通寺ICから約15分
- 駐車場: 周辺に有料駐車場あり(初詣期間は大変混雑)
混雑回避のポイント
三が日、特に元日の日中は大変混雑します。比較的空いている早朝や夕方の参拝がおすすめです。また、1月4日以降であれば混雑が緩和されます。体力に自信のない方は、石段の途中まで籠に乗って上がる「駕籠」の利用も検討してみてください。
2. 善通寺(善通寺市)|弘法大師空海生誕の地
善通寺は、弘法大師空海が誕生した地に建つ由緒ある寺院で、四国八十八箇所霊場第75番札所です。「お願い事が善く通る寺」として知られ、初詣には県内外から多くの参拝者が訪れます。
歴史と由緒
弘法大師空海の父である佐伯善通の名にちなんで名付けられた善通寺は、平安時代初期の創建とされます。境内は東院と西院に分かれており、西院には弘法大師誕生の地である御影堂が、東院には金堂や高さ約43メートルの五重塔(国の重要文化財)が建ち並びます。
初詣の見どころとご利益
正月には御影堂への参拝客が仁王門を超えて東院との間の参道まで並ぶほどの人気です。三が日は特別護摩祈祷が行われており、当日受付も可能です。また、戒壇めぐりに参加すれば、並ばずに御影堂を参拝できる場合があります。
ご利益は厄除け、家内安全、身体健康、交通安全、合格祈願など多岐にわたります。特に受験生や学業成就を願う方々から篤い信仰を集めています。
アクセス情報
- 住所: 香川県善通寺市善通寺町3-3-1
- 参拝時間: 7:00~17:00
- 電車: JR善通寺駅から徒歩約20分
- 車: 善通寺ICから約10分
- 駐車場: あり(無料、ただし初詣期間は混雑)
混雑回避のポイント
正月期間中、東院や参道には屋台が出て大変賑わいます。混雑を避けたい方は、早朝や1月4日以降の参拝がおすすめです。戒壇めぐり(有料)を利用すれば、混雑時でも比較的スムーズに御影堂を参拝できます。
3. 田村神社(高松市)|讃岐国一宮の格式高い神社
田村神社は、和銅2年(709年)の創建と伝えられる讃岐国一宮で、香川県内で最も格式の高い神社のひとつです。地元では「一宮さん」の愛称で親しまれ、初詣には多くの参拝者が訪れます。
歴史と由緒
古来より「田村大社」「定水大明神」とも称され、水が少ない讃岐地方の中で伏流水が豊かに湧くことから、稲作に不可欠な水を守る神様として篤く崇敬されてきました。御祭神は倭迹迹日百襲姫命、五十狭芹彦命(吉備津彦命)、猿田彦大神、天隠山命、天五田根命の五柱です。
初詣の見どころとご利益
広大な境内には数多くの境内社があり、「神様のテーマパーク」とも称されます。特に摂社に祀られた3メートルの金龍様は圧巻で、小判を奉納すると長者になるという伝説が残ります。さぬき七福神の布袋尊も祀られており、七福神巡りも楽しめます。
ご利益は家内安全、交通安全、商売繁盛、縁結び、子宝など多岐にわたります。日曜日には「日曜市」が開催され、うどん店もオープンするため、参拝と合わせて楽しむことができます。
アクセス情報
- 住所: 香川県高松市一宮町286
- 参拝時間: 境内自由(社務所は9:00~17:00)
- 電車: ことでん琴平線一宮駅から徒歩約10分
- 車: 高松西ICから約10分、高松中央ICから約15分
- 駐車場: あり(無料)
混雑回避のポイント
境内が広いため、金刀比羅宮ほどの混雑は感じにくいですが、それでも三が日の日中は参拝者で賑わいます。早朝や夕方、もしくは1月4日以降の参拝がゆっくり境内を回れておすすめです。
4. 屋島寺(高松市)|源平合戦の舞台となった歴史ある寺院
屋島寺は、四国八十八箇所霊場第84番札所で、屋島の山上に位置する真言宗の古刹です。源平合戦の「屋島の戦い」の舞台としても知られ、歴史ファンにも人気のスポットです。
歴史と由緒
天平勝宝年間(749~757年)に鑑真和上により創建されたと伝えられます。その後、弘法大師が訪れて十一面千手観音像を安置し、現在の真言宗の寺院となりました。境内には源平合戦ゆかりの品々や、那須与一の扇の的に関する史跡が残されています。
初詣の見どころとご利益
境内には多数のたぬきの石像があり、特に四国狸の総大将「太三郎狸」が有名です。太三郎狸は子宝、縁結び、家族円満の神様として信仰されており、女性や家族連れに人気があります。
山上からは瀬戸内海を一望でき、初日の出を拝むスポットとしても知られています。ご利益は子宝、縁結び、家族円満、学業成就などです。
アクセス情報
- 住所: 香川県高松市屋島東町1808
- 参拝時間: 7:00~17:00
- 電車・バス: JR屋島駅からシャトルバスで約10分
- 車: 屋島ドライブウェイ経由でアクセス
- 駐車場: あり(有料)
混雑回避のポイント
山上にあるため、比較的混雑は緩やかです。ただし、初日の出の時間帯は多くの人が訪れるため混雑します。混雑時にはシャトルバスの利用が推奨されます。
5. 滝宮天満宮(綾川町)|讃岐の学問の神様
滝宮天満宮は、学問の神様・菅原道真公を祀る天満宮で、香川県内で最も有名な学問の神様として多くの受験生や学生が訪れます。
歴史と由緒
菅原道真が886年(仁和2年)から890年(寛平2年)の間、讃岐守として讃岐国に赴任していた際の官舎跡に、948年(天暦2年)に創建されました。888年(仁和4年)、讃岐国が大干ばつに見舞われた際、道真公が7日間断食をして祈雨の願文を捧げたところ、三日三晩大雨が降り続いたという伝説が残ります。
この時、人々が喜んで踊り狂ったのが「滝宮の念仏踊り」の起源とされ、現在も毎年8月25日に奉納され、2022年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
初詣の見どころとご利益
初詣期間は多くの受験生や学生で賑わい、境内では「新春祈願祭」が執り行われます。滝宮天満宮は梅の名所としても知られ、初詣とともに冬の景色を楽しめるのも魅力です。
甘酒の振る舞いやお守り、絵馬の販売があり、参道には飲食店や屋台が並びます。ご利益は学業成就、合格祈願を中心に、開運厄除、家内安全などもあります。
アクセス情報
- 住所: 香川県綾歌郡綾川町滝宮1314
- 参拝時間: 境内自由(社務所は9:00~17:00)
- 電車: ことでん琴平線滝宮駅から徒歩約5分
- 車: 高松西ICまたは坂出ICから約30分
- 駐車場: あり(無料、正月三が日は混雑)
混雑回避のポイント
受験シーズンと重なるため、三が日は特に混雑します。駐車場も満車になりやすいため、公共交通機関の利用がおすすめです。早朝や夕方の参拝であれば比較的スムーズです。
6. 白鳥神社(東かがわ市)|日本武尊伝説が残る古社
白鳥神社は、日本武尊の霊が白鳥となって舞い降りたという伝説が残る古社です。開運厄除けの神社として有名で、東讃地域を中心に多くの参拝者が訪れます。
歴史と由緒
能褒野(三重県亀山市)で戦死し葬られた日本武尊の霊が白鳥となって飛び去り、当地に舞い降りたという伝説があります。間もなく白鳥は死んだため、日本武尊の子である武鼓王が廟を建て手厚く葬ったのが白鳥神社の始まりとされています。
寛文4年(1664年)に高松藩初代藩主・松平頼重が朱印地200石を寄進して再興し、以後は天領となりました。境内には代々藩主が寄進した燈籠が所狭しと並んでいます。
初詣の見どころとご利益
境内には樹齢800年を超える大楠があり、白鳥となった日本武尊の霊が舞い降りた場所とされています。また、隣接する白鳥の松原には標高3.6メートルの「御山」があり、日本一低い山として話題を集めています。社務所で登山証明書を発行してもらえるのもユニークです。
ご利益は開運厄除、武芸上達、勝運、家内安全など。春祭りには「だんじり子供歌舞伎」が公演され、多くの観客で賑わいます。
アクセス情報
- 住所: 香川県東かがわ市松原69
- 開門時間: 6:00~20:00(社務所は8:30~17:00)
- 電車: JR高徳線「讃岐白鳥駅」から徒歩約3分
- バス: 大川バス引田線「白鳥神社前」から徒歩約2分
- 車: 引田ICから約10分
- 駐車場: あり(無料)
混雑回避のポイント
県東部の代表的な神社のため初詣期間は混雑しますが、広い境内のため比較的ゆったりと参拝できます。カラフルな限定御朱印が人気で、正月には特別御朱印が授与されることもあります。
7. 冠纓神社(高松市)|縁結びのパワースポット
冠纓神社は、地元では「かむろ八幡宮」として親しまれる神社で、縁結びや恋愛成就のパワースポットとして特に女性に人気があります。
歴史と由緒
861年(貞観3年)、讃岐巡礼中の円珍(弘法大師の甥)が宝蔵寺を建立したのが始まりです。1357年、細川頼之が京都石清水八幡宮の冠纓(かんむりの紐)を奉納したことから、冠纓神社と称されるようになりました。
安倍晴明が神主をしていたという伝承もあり、境内には安倍晴明神社も祀られています。樹齢800年以上の楠をはじめ100種以上の植物が群生する境内の森は、香川県自然記念物に指定されています。
初詣の見どころとご利益
境内には「運気上昇の桃」「願い石」「叶い石」「子宝・安産の石」など、縁結びや恋愛成就に関するパワースポットが点在しています。「女石」と「男石」を八の字を描くように歩くと、恋愛成就の願いが叶うとされています。
また、龍王神社はピンクのハートで飾られており、女性やカップルに大人気です。カラフルな御朱印も特徴で、冠纓神社、安倍晴明神社、龍王神社の3種類の御朱印をいただけます。
ご利益は縁結び、恋愛成就を中心に、立身出世、勝運、眼病予防なども。目の神様をお祀りしており、毎月1日には水神の水が頒布されます。
アクセス情報
- 住所: 香川県高松市香南町由佐1409
- 参拝時間: 境内自由(社務所の営業時間は要確認)
- バス: ことでんバス高松空港行き「香南支所」下車、徒歩約2分
- 車: 高松空港から約2.8km(約10分)
- 駐車場: あり(無料、合計約100台)
混雑回避のポイント
表参道は約60段の石段がありますが、裏参道はフラットでアクセスしやすくなっています。足腰に不安のある方は裏参道からの参拝がおすすめです。初詣期間でも比較的落ち着いて参拝できる穴場スポットです。
香川県の初詣で知っておきたいポイント
防寒対策をしっかりと
香川県の1月は平均気温が5~10度前後と冷え込みます。特に山上にある屋島寺や、長時間の参拝が予想される金刀比羅宮では、しっかりとした防寒対策が必要です。手袋、マフラー、カイロなどを準備しましょう。
公共交通機関の活用
初詣期間中、人気スポットの周辺は駐車場が満車になりやすく、交通渋滞も発生します。可能な限り公共交通機関の利用をおすすめします。JRやことでん、路線バスなど、各神社・寺院へのアクセス手段を事前に確認しておきましょう。
混雑時間を避ける工夫
三が日、特に元日の10時~15時頃が最も混雑する時間帯です。早朝(7時前)や夕方以降、もしくは1月4日以降に参拝することで、ゆったりとお参りできます。また、初詣は松の内(1月7日まで)に行けばよいとされているため、日程に余裕を持った計画がおすすめです。
お賽銭の準備
混雑時にスムーズに参拝できるよう、小銭を事前に用意しておきましょう。特に冠纓神社のように境内に複数のパワースポットがある場合、100円玉を多めに準備しておくと便利です。
授与品の購入
お守りや絵馬、おみくじなどの授与品は、混雑時には行列ができることがあります。参拝を済ませた後、落ち着いてから授与所を訪れるとよいでしょう。また、御朱印をいただく場合は、御朱印帳を忘れずに持参してください。
まとめ|2026年の初詣は香川県の神社・寺院で
香川県には、四国随一の参拝者数を誇る金刀比羅宮から、地元で愛される穴場スポットまで、魅力的な初詣スポットが数多くあります。
定番の金刀比羅宮や善通寺で厳かな雰囲気を味わうもよし、田村神社で七福神巡りを楽しむもよし、滝宮天満宮で学業成就を祈願するもよし。歴史ファンなら屋島寺や白鳥神社の伝説に思いを馳せ、縁結びを願うなら冠纓神社のパワースポット巡りがおすすめです。
それぞれの神社・寺院には独自の歴史と魅力があり、異なるご利益を授かることができます。この記事で紹介したアクセス情報や混雑回避のポイントを参考に、2026年の初詣を有意義なものにしてください。
新しい年が、皆様にとって素晴らしい一年となりますように。香川県の神社・寺院で、新年の幸せを祈願してみてはいかがでしょうか。
