金沢で迎える2026年の初詣~歴史と文化が息づく寺社へ
加賀百万石の城下町として栄えた金沢には、歴史ある神社仏閣が数多く点在しています。
2026年の新年を迎えるにあたり、金沢を訪れる方や地元の方におすすめの初詣スポットを、定番から知る人ぞ知る穴場まで5つ厳選してご紹介します。
それぞれの神社には独自のご利益や見どころがあり、一年の始まりに相応しいパワースポットとして多くの参拝者を迎えています。
アクセス情報や混雑状況もあわせて解説しますので、金沢での初詣の計画にお役立てください。
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【2026】石川県のおすすめ初詣7選|定番から穴場まで
新年を迎える初詣は、一年の始まりを祝う大切な日本の伝統行事です。加賀百万石の歴史と文化が息づく石川県には、由緒ある神社仏閣が数多く点在し、初詣の名所としても人気を集めています。 この記事では、2026 ...
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1. 尾山神社~加賀藩祖を祀る金沢を代表する初詣スポット

異国情緒あふれる神門が印象的
尾山神社は加賀藩初代藩主・前田利家公と正室お松の方を祀る、金沢を代表する神社です。国の重要文化財に指定されている神門が最大の特徴で、和漢洋の3つの建築様式を融合させた珍しい造りとなっています。
神門の最上階にはめ込まれたギヤマン(ステンドグラス)は特に印象的で、日没後から22時までライトアップされ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。また、日本現存最古の避雷針が施されているのも見どころのひとつです。
ご利益とおすすめポイント
戦国武将・前田利家公を祀っていることから、商売繁盛、家内安全、必勝祈願にご利益があるとされています。利家公とお松の方は戦国時代を代表するおしどり夫婦としても知られ、縁結びのご利益も期待できます。
境内には種類豊富なおみくじや、珍しい狛犬も人気を集めています。池泉回遊式庭園や金沢城の遺構である東門など、見どころが多く、ゆっくりと散策しながら参拝できるのも魅力です。
初詣の混雑状況
例年、大晦日から正月三が日の期間中は特に混雑します。
- 1月1日:8時~21時頃が最も混雑
- 1月2日・3日:10時~20時頃が混雑のピーク
正月期間中は交通規制が行われ、駐車場も閉鎖されるため、公共交通機関の利用がおすすめです。
アクセス情報
金沢駅から徒歩で約15分の好立地にあります。バスを利用する場合は、北鉄バス「南町・尾山神社」下車徒歩約3分、金沢ふらっとバス材木ルート「商工会議所」下車徒歩約2分です。
繁華街の香林坊からも近く、兼六園や金沢城公園、長町武家屋敷など主要観光スポットからもアクセスしやすい立地です。
尾山神社 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 石川県金沢市尾山町11-1 |
| 電話 | 076-231-7210 |
| 授与所受付時間 | 9:00~17:00 |
| 拝観料 | 無料 |
| 公式サイト | 尾山神社 |
2. 石浦神社~金沢最古の縁結びパワースポット

2200年の歴史を誇る金沢最古の神社
石浦神社は約2200年前に創建されたとされる、金沢市内で最も古い神社です。兼六園の真向かい、金沢21世紀美術館の近くという好立地にあり、観光の途中に気軽に立ち寄ることができます。
主祭神は大物主大神(大国主大神)で、縁結びで有名なパワースポットとして、特に女性やカップルに人気があります。また、安産、家内安全、厄除けなど、幅広いご利益があることでも知られています。
SNS映えする見どころ満載
石浦神社の大きな魅力は、写真映えするスポットが豊富にあることです。
101基の朱塗りの鳥居が全長約50メートルにわたって並ぶ「衣真の道」は圧巻です。令和への改元を記念して2019年12月に完成したもので、途中から二手に分かれ、上空から見ると「人」の字の形をしています。夜にはライトアップも行われ、昼とは違った神秘的な雰囲気を楽しめます。
また、季節の花が浮かべられた「花手水」や、参拝者のおみくじが結ばれた「おみくじのトンネル」も人気の撮影スポットとなっています。
可愛いお守りと公式キャラクター
石浦神社には公式ゆるキャラ「きまちゃん」がいます。「なにごとも丸くきまる」が名前の由来で、神様のお使いである犬とウサギをモチーフにした可愛らしいキャラクターです。
特に人気なのが水玉模様の「水玉守」です。丸は神様の形とされ、水玉模様には「丸く収まる」という意味が込められています。カラフルなデザインが豊富で、44種類もの色の組み合わせから選ぶことができます。
アクセス情報
金沢駅から路線バス「広坂・21世紀美術館」下車徒歩約2分、または「出羽町」下車徒歩約3分です。兼六園真弓坂口から徒歩すぐの場所にあり、21世紀美術館とあわせて訪れるのがおすすめです。
石浦神社 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 石川県金沢市本多町3丁目1-30 |
| ご祈祷・参拝受付時間 | 9:00~16:00 |
| 拝観料 | 無料 |
| 公式サイト | 石浦神社 |
3. 金澤神社~学問の神様と金運のパワースポット

兼六園に隣接する受験生の聖地
金澤神社は、兼六園に隣接する朱色の拝殿が美しい神社です。寛政6年(1794年)に加賀藩11代藩主・前田治脩が藩校明倫堂の鎮守として創建しました。
学問の神様・菅原道真公を主祭神としており、毎年受験シーズンには多くの受験生が合格祈願に訪れます。元旦の参拝待ち時間は1~2時間にもなるほど、地元で篤く信仰されている神社です。
金沢の地名の由来となった「金城霊沢」
金澤神社の大きな見どころのひとつが、参道入口にある「金城霊沢(きんじょうれいたく)」です。この泉で芋を洗ったところ砂金が出てきたという伝説から、「金洗いの沢」→「金沢」という地名が生まれたとされています。
現在では金運向上のパワースポットとして人気があり、息を止めて時計回りに霊沢を3周しながら願いを唱えると、願いが叶うという言い伝えがあります。
白蛇龍神で災難除け・金運アップ
金澤神社では、菅原道真公とともに「白蛇龍神」も相殿として祀られています。火難、水難、災難除け、金運、商売繁盛の神として崇敬され、毎月1日には白蛇月次祭が開かれ、御神体の開帳と開運厄除けの祈願が行われます。
拝殿の天井には白蛇龍神天井画が描かれており、その迫力ある姿は必見です。大晦日には新年の迎え火が幻想的に灯され、学業成就を祈願した串に挟んだ神札の頒布も行われます。
その他の見どころ
境内には、天神様のお使いの牛「夢牛」の石像があり、撫でて拝むと夢が叶うとされています。また、「いぼとり石」という御神石もあり、体のイボだけでなく"心のいぼが取れて気持ちが浄化される"とも言われています。
アクセス情報
金沢駅から路線バス「出羽町」下車徒歩約3分、または「成巽閣前」下車すぐです。兼六園の小立野口から入園し、園内を散策しながら訪れることもできます。
金澤神社 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 石川県金沢市兼六町1-3 |
| 電話 | 076-261-0502 |
| 参拝時間 | 9:30~17:00 |
| 拝観料 | 無料(兼六園入園料は別途) |
| 公式サイト | 金澤神社 |
4. 白山比咩神社~全国白山神社の総本宮

霊峰白山を神体山とする加賀国一宮
白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)は、石川県白山市に鎮座する、全国約3000社の白山神社の総本宮です。加賀国一宮としても知られ、地元では親しみを込めて「しらやまさん」と呼ばれています。
創建は紀元前91年とされ、2100年以上の歴史を誇る由緒ある神社です。石川、福井、岐阜の3県にまたがる霊峰・白山(標高2702メートル)を神体山として祀り、北陸鎮護の大社として篤い崇敬を受けてきました。
縁結びと和合の女神様
主祭神は白山比咩大神(菊理媛尊・くくりひめのみこと)で、ご縁を「くくる」神として縁結びのご利益で知られています。また、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)という日本で初めての夫婦神も祀られており、恋愛成就や家庭円満を願う参拝者が多く訪れます。
日本書紀の神話では、夫婦喧嘩をした伊弉諾尊と伊弉冉尊の仲を菊理媛尊が取り持ったという話があり、和合の神様としても信仰されています。
荘厳な境内と見どころ
樹齢1000年以上の杉やあすなろがそびえる表参道は、神聖な雰囲気に包まれています。御神木の老杉は樹齢約800年、高さ約42メートルで、白山市指定天然記念物に指定されています。
また、ご本殿近くには昭和天皇がお植えになった記念樹の「三本杉」もあります。疫病撃退のご利益があるとされる「ヨゲンノトリ(双頭の神鳴る鳥)」の絵馬も人気です。
境内には白山の霊水を汲める水汲み場があり、参拝者は自由に持ち帰ることができます(例年5月から10月まで)。
2026年初詣の交通情報
正月三が日は神社周辺で交通規制が行われます。駐車場も混雑するため、公共交通機関の利用が強く推奨されています。
北陸鉄道石川線の臨時電車が運行され、鶴来駅から接続バスが出ます。また、南部車庫発の初詣シャトルバスも約15~20分間隔で運行されます。詳しくは北陸鉄道のホームページをご確認ください。
アクセス情報
金沢駅から車で約40分です。公共交通機関を利用する場合は、北陸鉄道石川線「鶴来駅」下車、加賀白山バス「瀬女行き」で約5分、「一の宮」下車、表参道まで徒歩約5分です。
白山比咩神社 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 石川県白山市三宮町ニ105-1 |
| 電話 | 076-272-0680 |
| 拝観料 | 無料 |
| 公式サイト | 白山比咩神社 |
5. 波自加彌神社~日本唯一の香辛料の神様(穴場スポット)

全国でここだけ!香辛料を祀る珍しい神社
波自加彌神社(はじかみじんじゃ)は、金沢市北部の山中に鎮座する、日本で唯一香辛料の神様を祀る神社です。養老2年(718年)創建の1300年以上の歴史を持つ古社で、料理や食に関わる人々から篤い信仰を集めています。
社名の「はじかみ」は「歯で噛んで辛いもの」という意味の古語で、生姜、山椒、わさびなどの香辛料を指します。主祭神の波自加彌神は、調味・医薬・健康の食産神として崇められています。
無病息災と料理上達のご利益
香辛料は古くから調味料として料理に使われ、その薬効から薬としても使用されてきました。そのため、波自加彌神社は無病息災、料理上達、健康長寿のご利益があるとされています。
昇殿参拝される方には特製の「しょうが湯」が振る舞われ、一年の健康を祈願できます。料理好きや飲食業に携わる方には特におすすめの神社です。
ユニークなお守りと御朱印
波自加彌神社には、料理に関する珍しいお守りが揃っています。
- 美食守:おいしいごはんに出会える食運向上のお守り
- 料理上達守:料理上達と調理安全のお守り
- 福酒守:酒難除けとおいしい肴・お酒に出会えるお守り
御朱印も季節ごとにデザインが変わり、白狐や香辛料をモチーフにした美しい切り絵の御朱印が人気です。毎月1日、3日、22日、29日は直書きで授与されます。
白狐伝説と「しょうが祭り」
神社の前を流れる用水には、水争いを収めるために現れた白狐の伝説が残っており、瑞狐橋(ずいこばし)という名前の橋も架かっています。この白狐伝説にちなんだ絵馬や御朱印も人気です。
毎年6月15日には「はじかみ大祭」(通称・しょうが祭り)が開催され、清められた生姜湯が参拝者に振る舞われます。全国の香辛料農家や飲食店から奉納が集まる、無病息災を願う伝統行事です。
参拝の注意点
波自加彌神社は金沢市郊外の山中にあり、表参道から130段以上の階段を登る必要があります。体力に自信がない方は、車で上まで行くこともできますが、せっかくなら階段を登って参拝することをおすすめします。
初詣期間中(1月1日~3日)は本宮での授与が行われますが、1月4日以降は波自加彌神社遙拝所(金沢市二日市町)での授与となりますのでご注意ください。
アクセス情報
金沢駅から車で約25分、北陸自動車道「金沢森本IC」から約10分です。国道8号線と山側環状線の合流地点で旧8号線方面に降り、津幡町方面へ向かうと案内板が見えてきます。
公共交通機関の場合は、JR森本駅またはIRいしかわ鉄道津幡駅からタクシー利用が便利です。北鉄バス「八幡」停からは徒歩約10分(表参道まで)です。
波自加彌神社 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所(本宮) | 石川県金沢市花園八幡町ハ165 |
| 住所(遙拝所) | 石川県金沢市二日市町ヌ131 |
| 電話 | 076-258-0346 |
| 受付時間 | 9:00~16:00(遙拝所) |
| 拝観料 | 無料 |
| 公式サイト | 波自加彌神社 |
金沢の初詣を楽しむためのポイント
参拝のマナー
神社での基本的な参拝作法は「二礼二拍手一礼」です。
- 鳥居をくぐる前に一礼
- 手水舎で手と口を清める
- 賽銭を入れる
- 二回深くお辞儀(二礼)
- 両手を胸の高さで合わせ、肩幅程度に開いて二回拍手(二拍手)
- 両手をきちんと合わせて心を込めて祈る
- 最後にもう一度深くお辞儀(一礼)
お寺での参拝の場合は、常香炉があれば煙で身を清め、賽銭を入れた後、静かに手を合わせて深くお辞儀をします。拍手は打ちません。
混雑を避けるコツ
正月三が日は特に混雑が予想されますが、以下の時間帯は比較的空いています。
- 早朝:午前6時~8時頃
- 夕方以降:午後17時以降(ただしライトアップ目当ての参拝者もいます)
- 三が日を外す:1月4日以降は格段に空きます
混雑する時間帯を避けるか、複数の神社を巡る「初詣めぐり」を計画するのもおすすめです。
服装と持ち物
金沢の冬は寒さが厳しく、雪が降ることも珍しくありません。以下のような準備をしておきましょう。
- 防寒着(コート、手袋、マフラー)
- 滑りにくい靴(雪対策)
- 小銭(賽銭用、お守り・おみくじ購入用)
- 御朱印帳(御朱印を集めている方)
初詣と合わせて楽しめる金沢観光
金沢の初詣スポットは、主要観光地に近いところが多いのが特徴です。
尾山神社、石浦神社、金澤神社は兼六園、金沢城公園、21世紀美術館などの観光スポットと徒歩圏内にあります。
初詣の後は、金沢の歴史や文化、アートに触れながら、ひがし茶屋街や近江町市場でグルメを楽しむのもおすすめです。
白山比咩神社へ向かう場合は、白山市の温泉や自然を満喫するプランも良いでしょう。波自加彌神社は金沢郊外にあるため、ドライブを兼ねた参拝がおすすめです。
まとめ~金沢の初詣で素敵な一年のスタートを
金沢には、それぞれに個性的な魅力を持つ初詣スポットが数多くあります。
加賀藩の歴史を感じる尾山神社、金沢最古でSNS映えする石浦神社、学問と金運の金澤神社、霊峰白山の総本宮である白山比咩神社、日本唯一の香辛料の神様を祀る波自加彌神社。
どの神社も一年の始まりに相応しいパワーをいただける場所です。
それぞれのご利益や雰囲気、アクセスを考慮しながら、ご自身に合った初詣先を選んでください。
複数の神社を巡って、それぞれのご利益を授かるのも良いでしょう。
2026年が皆様にとって素晴らしい一年となりますよう、金沢の初詣で心新たに願いを込めてお参りしてみてはいかがでしょうか。