雄大な山々と豊かな自然に恵まれた甲信越地方(新潟県・長野県・山梨県)には、歴史と格式を誇る神社仏閣が数多く点在しています。2026年の新しい年を迎えるにあたり、甲信越地方で特におすすめの初詣スポットを厳選してご紹介します。
この記事では、参拝者数や歴史的価値、ご利益の内容、アクセスの利便性などを総合的に評価し、甲信越地方の最強初詣スポットをランキング形式でお届けします。混雑状況や参拝のポイント、周辺情報も詳しく解説していますので、2026年の初詣計画にぜひお役立てください。
甲信越地方の初詣の特徴
甲信越地方の初詣には、他の地域とは異なる独特の魅力があります。新潟県では大晦日の夜から元旦の深夜にかけて参拝する「二年参り」が主流で、深夜0時前から賑わいを見せます。また、新潟県は日本一神社が多い都道府県として知られ、古くから信仰を集める由緒ある神社が数多く存在しています。
長野県は善光寺をはじめとする歴史的な寺社が多く、「一生に一度はお参りしたい」と言われる名刹が集中しています。山梨県では武田信玄ゆかりの神社仏閣が人気で、戦国武将のパワーを感じられる初詣が特徴です。
雪深い冬の甲信越では、雪景色の中での参拝が幻想的な雰囲気を醸し出します。寒さは厳しいですが、その分、新年への祈りもより一層心に響くものとなるでしょう。
第1位:彌彦神社(新潟県弥彦村)

越後一宮として2400年の歴史を誇る最強パワースポット
新潟県西蒲原郡弥彦村に鎮座する彌彦神社は、越後一宮として古くから信仰を集める格式高い神社です。創建から2400年以上の歴史を有するとされ、日本最古の万葉集にも詠われています。地元では「おやひこさま」として親しまれ、初詣には毎年約24万人もの参拝者が訪れる新潟県随一の初詣スポットです。
御祭神は天照大神の曾孫にあたる天香山命(あめのかごやまのみこと)。祭神と妃神の妻戸大神(熟穂屋姫命)の仲が良いことから、縁結びのご利益があるとされています。また、境内にある「重軽の石(火の玉石)」は、願いを思い浮かべて持ち上げた時の重さの感じ方で願いが叶うかどうかを占える人気のスポットです。
初詣期間の混雑状況と参拝時間
正月三が日は約24万人の参拝者で大変混雑します。特に混雑するのは午前10時頃から午後2時頃までの時間帯です。元旦は参拝するまでに1時間以上かかることも珍しくありません。混雑を避けたい方は、早朝(午前8時前)または夕方以降の参拝をおすすめします。
大晦日の午後11時から1月3日まで、彌彦神社周辺では交通規制が実施されます。境内の二の鳥居から随神門までが一方通行となり、拝殿前から参道へは戻れませんのでご注意ください。弥彦観光協会の公式サイトでは、年末年始の交通規制図や混雑状況のライブ配信も行われますので、事前に確認することをおすすめします。
アクセス情報
JR弥彦線「弥彦駅」から徒歩約15分です。車の場合は、北陸自動車道「三条燕IC」から約30分、または「巻潟東IC」から約30分でアクセスできます。神社周辺には無料の大駐車場があり、神社脇駐車場は大型バス20台・普通車50台、村営第一駐車場は普通車345台が駐車可能です。ただし、初詣期間中は大変混雑するため、競輪場脇の神社から少し離れた駐車場の利用も検討しましょう。
参拝のポイント
見事な鎮守の森に覆われた境内は神聖な空気が漂います。夜の参拝もおすすめで、参道の両脇に並ぶ灯篭が灯る幻想的な雰囲気を楽しめます。弥彦山ロープウェイで山頂まで行けば、奥宮の彌彦神社御神廟を参拝することもでき、より深い信仰体験ができます。周辺には弥彦温泉もあるため、参拝と温泉を組み合わせた旅行プランもおすすめです。
第2位:善光寺(長野県長野市)

「一生に一度は詣れ善光寺」約1400年の歴史を持つ名刹
長野県長野市に位置する善光寺は、日本最古の仏像といわれる一光三尊阿弥陀如来を御本尊とし、創建以来約1400年の歴史を持つ名刹です。「遠くとも一度は詣れ善光寺」という言葉が示すように、一生に一度は参拝したい寺として全国的に知られています。
善光寺の最大の特徴は、宗派を問わず誰でも分け隔てなく受け入れる庶民の寺という点です。そのため、仏教の様々な宗派の信者はもちろん、信仰を持たない人々も気軽に参拝できる開かれた寺院として、国内外から多くの参拝者が訪れています。極楽往生、所願成就などのご利益で知られ、新年には大勢の人々が参列します。
初詣期間の情報
大晦日の深夜から元日にかけて境内が開放され、終夜参拝が可能です。1月1日は午前0時から午後6時30分頃まで、2日・3日は午前6時40分から午後6時頃まで参拝できます。また、1月1日から3日は金堂中陣天井に描かれた日本一の規模を誇る「鳴き龍」が無料で開放されます。手をたたくと多重反響現象による共鳴が起こる貴重な体験ができます。
混雑状況と参拝のコツ
善光寺は長野県内でも特に人気の初詣スポットのため、三が日は大変混雑します。混雑を避けたい方は、平日の早朝に参拝することをおすすめします。早朝であれば、善光寺らしい荘厳な雰囲気をより一層感じることができます。また、松の内(1月7日まで)であれば初詣として認められるため、三が日を避けて参拝するのも賢明な選択です。
アクセス情報
JR長野駅から善光寺方面へのバスが運行しており、約15分で到着します。徒歩の場合は長野駅から約30分です。車の場合は、上信越自動車道「長野IC」または「須坂長野東IC」から約40分です。周辺には複数の有料駐車場がありますが、初詣期間中は大変混雑するため、公共交通機関の利用をおすすめします。
第3位:武田神社(山梨県甲府市)

武田信玄公を祀る勝運のパワースポット
山梨県甲府市に鎮座する武田神社は、戦国時代の名将・武田信玄公を御祭神としてお祀りする神社です。大正8年(1919年)、武田信玄公の居城であった躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)の跡地に創建されました。現在でも境内には当時をしのばせる堀や土塁、石垣、古井戸などが残り、国の史跡に指定されています。
武田神社のご利益は「勝運」が有名です。勝負事に限らず、「人生そのものに勝つ」「自分自身に克つ」という意味も含まれており、必勝祈願、商売繁盛、縁結び、家内安全などのご利益があるとされています。そのため、ビジネスマンや受験生にも人気のスポットです。
金運を招く「三葉の松」
境内には全国でも珍しい「三葉の松」があります。通常、松の葉は二葉ですが、この松は三葉で一葉多く、秋に落葉すると黄金色になることから、金運のご利益があると言われています。また、松には古来より延命長寿のご利益もあるとされています。
初詣期間の情報
年末から三が日にかけて交通規制が行われます。境内は終日散策自由ですが、宝物殿は9時30分から16時まで開館しています(入館料:大人300円、小中学生150円)。宝物殿には、国指定重要文化財の名刀「吉岡一文字」をはじめ、武田信玄公の肖像画や武田家ゆかりの品々が展示されており、歴史好きの方には必見です。
アクセス情報
JR甲府駅北口から山梨交通バス「武田神社」行または「積翠寺」行に乗車し、約8分で到着します。徒歩の場合は甲府駅から約30分です。車の場合は、中央自動車道「甲府昭和IC」から約20分です。初詣期間中はシャトルバスも運行される予定ですので、詳細は山梨交通株式会社にお問い合わせください。
第4位:諏訪大社(長野県諏訪市・茅野市)

全国に約25000社ある諏訪神社の総本社
長野県の諏訪湖周辺に鎮座する諏訪大社は、全国に約25000社ある諏訪神社の総本社です。上社本宮(諏訪市)、上社前宮(茅野市)、下社秋宮(下諏訪町)、下社春宮(下諏訪町)の4つの社殿から成り、それぞれが独自の歴史と雰囲気を持っています。
諏訪大社は御柱祭で全国的に有名です。7年に一度行われる御柱祭は、日本三大奇祭の一つに数えられ、巨大な樹木を山から曳き下ろす勇壮な祭りとして知られています。
ご利益とお参りのポイント
諏訪大社のご利益は、開運、家内安全、交通安全、商売繁盛など多岐にわたります。4つの社殿をすべて参拝する「四社詣り」が推奨されており、時間に余裕のある方はぜひチャレンジしてみてください。すべての社殿を巡るには車で約1時間、徒歩では半日以上かかりますが、それぞれ異なる雰囲気を楽しめます。
アクセス情報
上社本宮へはJR中央本線「茅野駅」からバスで約30分、下社秋宮へはJR中央本線「下諏訪駅」から徒歩約10分です。車の場合は、中央自動車道「諏訪IC」から各社へ10~20分程度でアクセスできます。各社に無料駐車場が完備されています。
第5位:北口本宮冨士浅間神社(山梨県富士吉田市)

富士山信仰の中心地、世界文化遺産の構成資産
山梨県富士吉田市に鎮座する北口本宮冨士浅間神社は、富士山北口登山道の起点にあり、約1900年の由緒を持つ神社です。富士山信仰の中心として栄え、富士山世界文化遺産の構成資産にも指定されています。
左右に老杉の迫る参道には苔むした石灯籠が立ち並び、高さ18メートルの大鳥居、古色蒼然とした神楽殿、重厚な本殿(重要文化財)など、境内には荘厳な雰囲気が漂います。本殿の左右には東宮本殿(重要文化財)と西宮本殿(重要文化財)があり、東宮は武田信玄が寄進したものとして知られています。
ご利益と参拝のポイント
火山鎮護の神・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祭神とし、美と縁結びのご利益で有名です。また、家内安全、厄除け、開運招福などのご利益もあるとされています。富士山の雄大な姿を背景に参拝できるのも大きな魅力です。
アクセス情報
富士急行線「富士山駅」から徒歩約20分、またはバスで約5分です。車の場合は、中央自動車道「河口湖IC」から約10分です。無料駐車場が完備されていますが、初詣期間中は混雑が予想されます。
第6位:白山神社(新潟県新潟市)

新潟総鎮守として市民に親しまれる古社
新潟県新潟市中央区に鎮座する白山神社は、新潟総鎮守として古くから新潟市民に親しまれている神社です。延喜式内社として約1000年以上の歴史を持ち、地元では「はくさんさま」として親しまれています。
白山神社の御祭神は菊理媛大神(くくりひめのおおかみ)で、縁結び、恋愛成就、家内安全、商売繁盛などのご利益があるとされています。境内には複数の摂社・末社があり、様々な願いを叶えてくれる神様が祀られています。
初詣期間の情報
正月三が日には多くの参拝者が訪れますが、市街地にあるためアクセスが良く、比較的参拝しやすいのが特徴です。新年特別祈祷期間は12月15日から1月15日まで設定されており、この期間中は随時御祈祷を受けることができます。
アクセス情報
JR新潟駅から徒歩約15分、またはバスで約10分です。市街地にあるため公共交通機関でのアクセスが便利です。車の場合は、新潟バイパス「女池IC」から約15分です。周辺にはコインパーキングが複数ありますが、初詣期間中は混雑が予想されます。
第7位:甲斐善光寺(山梨県甲府市)

武田信玄公ゆかりの寺院、日本一の「鳴き龍」
山梨県甲府市に位置する甲斐善光寺は、武田信玄公が川中島の合戦の際、信州善光寺の焼失を恐れて、永禄元年(1558年)に御本尊善光寺如来像などを移したことによって創建された歴史ある浄土宗の寺院です。
境内には国指定重要文化財を含む多数の文化財が所蔵されています。特に江戸時代に再建された撞木造の高さ27メートルもある金堂(重要文化財)と朱塗りの山門(重要文化財)は必見です。金堂中陣天井に描かれた「鳴き龍」は日本一の規模を誇り、手をたたくと多重反響現象による共鳴が起こる不思議な体験ができます。
初詣期間の特別行事
12月27日に行われる「御身拭い」という1年のほこりを払う行事では、御本尊を八幡神の姿に変身させるという意味が込められています。元日から7日の間は神社と同様に「2礼2拍手1礼」で礼拝する習わしになっています。除夜の鐘を参拝者も撞くことができ、参加者にはみかんが配布されます。三ヶ日の間は「鳴き龍」が無料開放されます。
アクセス情報
JR甲府駅南口からバスで約10分、下車後徒歩約7分です。車の場合は、中央自動車道「甲府昭和IC」から約20分です。無料駐車場が完備されています。
初詣の参拝マナーと基本知識
参拝の正しい作法
神社での参拝は「二礼二拍手一礼」が基本です。まず鳥居をくぐる前に一礼し、参道は中央を避けて端を歩きます。手水舎で心身を清めた後、本殿前で賽銭を入れ、鈴を鳴らしてから二度深くお辞儀をし、二度手を打ち、最後にもう一度深くお辞儀をします。
お寺での参拝は、手を合わせて合掌するのが基本です。拍手は打たず、静かに手を合わせて祈ります。ただし、甲斐善光寺のように特別な期間に神社式の作法で参拝する寺院もありますので、各寺院の案内に従いましょう。
初詣はいつまでに行くべきか
初詣は一般的に松の内(1月7日まで、地域によっては1月15日まで)に行くのが良いとされています。三が日にこだわる必要はなく、混雑を避けて1月中に参拝しても初詣として認められます。自分のペースで、心を込めて参拝することが大切です。
おみくじとお守りについて
おみくじは神様からのメッセージとして大切に扱いましょう。凶が出ても気にしすぎず、書かれている内容を今後の教訓として受け止めることが重要です。お守りは1年間身につけて、翌年の初詣時に古いお守りを納めて新しいものを授かるのが一般的です。
甲信越地方の初詣時の服装と持ち物
冬の甲信越は防寒対策が必須
甲信越地方の1月は非常に寒く、特に早朝や夜間は氷点下になることも珍しくありません。厚手のコートやダウンジャケット、マフラー、手袋、ニット帽などの防寒具は必須です。足元は雪や凍結に対応できる滑りにくい靴を選びましょう。
境内は雪が積もっていることが多いため、防水性のあるブーツがおすすめです。着物で参拝する場合は、草履ではなく防寒性の高いブーツを合わせるなど、寒さ対策を優先しましょう。
持参すると便利なもの
カイロ、小銭(賽銭用)、御朱印帳(御朱印を集めている方)、水筒(温かい飲み物)などがあると便利です。また、混雑する時間帯に参拝する場合は、待ち時間が長くなることを想定して、暖かい飲み物やちょっとした食べ物を持参すると良いでしょう。
甲信越地方の初詣後のおすすめグルメ
新潟のグルメ
彌彦神社周辺では、弥彦名物の「弥彦むすめ」(笹団子の一種)や郷土料理のおこわがおすすめです。新潟市内では、新鮮な海の幸を使った寿司や、へぎそばなどの郷土料理を楽しめます。寒い冬には、体が温まる新潟ラーメンも人気です。
長野のグルメ
善光寺の参道には、仲見世通りがあり、様々な飲食店や土産物店が軒を連ねています。信州そば、おやき、野沢菜漬けなどの長野名物を堪能できます。また、善光寺門前の「八幡屋礒五郎」の七味唐辛子は有名なお土産です。
山梨のグルメ
武田神社がある甲府市周辺では、山梨名物のほうとうや、甲府鳥もつ煮などのB級グルメが人気です。また、信玄餅は山梨県を代表する銘菓として知られています。富士吉田エリアでは、コシの強い麺が特徴の「吉田のうどん」がおすすめです。
混雑を避けて快適に初詣を楽しむコツ
参拝時間帯の工夫
三が日は午前10時から午後2時頃が最も混雑します。早朝(午前8時前)または夕方以降に参拝すると、比較的スムーズにお参りできます。特に早朝の参拝は、静かで清々しい雰囲気の中で新年の祈りを捧げることができるのでおすすめです。
日程をずらす
どうしても混雑を避けたい場合は、三が日を避けて4日以降に参拝するのも良い選択です。松の内であれば初詣として問題ありません。平日の参拝もおすすめです。
公共交通機関の活用
初詣期間中は駐車場が大変混雑し、交通規制も実施されます。できるだけ公共交通機関を利用することで、渋滞や駐車場探しのストレスから解放されます。多くの神社では臨時バスや臨時列車が運行されることもあるので、事前に交通情報を確認しましょう。
2026年の初詣で心に留めておきたいこと
感謝の気持ちを込めて
初詣は新年の願い事をするだけでなく、前年を無事に過ごせたことへの感謝を伝える大切な機会です。まずは神様に感謝の気持ちを伝え、その後で新年の抱負や願い事を祈願しましょう。
心を込めた参拝を
混雑していると、つい急いで参拝しがちですが、心を落ち着けて丁寧に参拝することが大切です。形式だけでなく、心を込めてお参りすることで、より充実した初詣となるでしょう。
マナーを守った参拝を
多くの人が訪れる初詣では、周囲への配慮が重要です。大声で騒いだり、写真撮影に夢中になりすぎたりせず、参拝者全員が気持ちよくお参りできるよう心がけましょう。境内での喫煙やゴミのポイ捨ては厳禁です。
まとめ:2026年は甲信越の神社仏閣で素敵な新年を
甲信越地方には、歴史と格式を誇る素晴らしい初詣スポットが数多くあります。越後一宮の彌彦神社、約1400年の歴史を持つ善光寺、武田信玄公を祀る武田神社など、それぞれが独自の魅力を持っています。
2026年の初詣は、この記事を参考に、自分の願いや状況に合った神社仏閣を選んでみてください。雪景色の中での参拝は、他の地域では味わえない特別な体験となるでしょう。混雑状況やアクセス情報を事前に確認し、余裕を持った計画を立てることで、より充実した初詣となります。
新しい年の始まりに、甲信越の神社仏閣で心を込めて参拝し、2026年が皆様にとって素晴らしい一年となるよう祈念しています。